カギのかけられた部屋 | ナノ
初めての夜4

朝ごはんを無事食べ終えた伊藤。そこへ祖母が新年のお楽しみ、『年賀状』を持ってやってきた。

「うん、隼人は友達がいっぱいいるんだねぇ」
「えー、そうかな? あんまり教えてないんだけど」
住所を教えたのは……転校前の学校の奴らに少し、それと青木君だけ。

そんなものだからすぐに目的の人物のはがきも見つけられた。
『あけましておめでとう』 By青木 優太
そんな文字の印刷と、ひとことメッセージが書かれたシンプルなはがき。
「ねぇ、ばぁちゃん、今日、昼から出かけるけど大丈夫?」
はがきをみて、伊藤はすぐにそう言うと、自分の部屋へと戻った。

もちろんはがきの内容は……

『暇だったら一日の午後1時に公園で会おうね。待ってるよ』

そりゃ、行かなくちゃ……ね?


初夢にまで出てくる僕の大切な人のお誘いなんだからさ。
服、どれにしよう?
うーん?

「隼人、どこ行くべ?」

祖母が部屋に入ってきた。手にはおせんべい。

「うーん、大切な人のとこ。ちょっと長くなるかも」

「そーかい、あの男の子ね?」

「あ、うん、まぁ」

「じゃ、いいものあるからそれ着てみなって」

「???」

さて、僕はどんな服を着ていくことになったのか。それは青木君と出会う時まで少しだけ皆にはお楽しみ……ということで。

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