カギのかけられた部屋 | ナノ
初めての夜3


「可愛い、……愛しい」
ぐっすり眠っている僕をくすぐるのは彼。
びっくりして目を開けると青木はすぐに寝がえりをうった。
「……なんだ、寝言か」
僕は安心するもののさっきの青木のひとことが頭から離れない。

(彼は僕より年上だけど優しいし結果同学年で今は成績もまぁまぁだし……)

そこそこのイケメンといえばイケメンか、、、いや、ふつめん?

「わかんないや」
ベッドにもぐりこむ僕。考えれば考えるほどに迷宮入りだ。
彼の少しだけ筋肉質な、それでも細くすらりとしたカッコいい肩や腕、……見ているだけで頬が熱くなる。誰だ、僕をそんなに火照らせてしまうのは。



その時だった。
『はよぉ、隼人ー!』
誰だよ、こんなときに。
『起きやんとアサメシないぞぇー!』
「別にいいよ、そんなの」
……もうちょっと夢見させて……え、今、なんか……。


『はぁよお、起きんしゃいっ!』
耳元にじぃの大声。伊藤は飛び起きて腰を痛める始末。
「……まだまだ若いのに元気だせぃ!」
それ、じぃちゃんが僕の腰を痛めたんですけど……。
「あーあ」
……っていうか、新年早々初夢が青木君って。

もうなんか二人とも『変態』設定になってるし。


「初夢に青木君とのエロス……?」

新年早々、とんでもないものを神様はプレゼントしてくれたようだ。

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