カギのかけられた部屋 | ナノ
初めての夜2

「ん……えっ!」
ココは、一体。。。
「あ、目が開いた」
……あ、開いた、じゃねぇよ、青木ぃいいいいい!
「何、これ?」
っていうか僕、レストランにいたんだよね、そうだよね?
『なんでベッドにいるの!?』
「えー、普通だよ」
そういうと隣にごろんと寝転がる青木。
「疲れちゃったから、ホテル借りた」
えぇええええええ、どういう経緯? つか、男二人とか誤解を生むだろ、完全に。
「ねぇ」
青木君が僕の首を優しく持ち上げる。
「嫌?」
「え、気遣ってくれたことには感謝するよ……レストランにいたはずなんだけど」
「ふーん。でもさ」
青木君が近づく。
「君、逃げられないからね。鈍感な王子様にはちょっと不利かもしれないけどさ」
そして耳元でこう言った。
「今日、伊藤君を抱くから」
ぅそぉおおおおおお。爆破寸前な伊藤に構わず布団をきれいにのせ始める「青木」。
それって、それって、まさか……。

「はじめよっか、甘い夜物語」
僕はどうやら、そういうことになってしまった、……らしい。

「ン……」
温かくて優しくて、積極的なのにどこかせつない彼の手つき。
「はぁ……」
「青木君、疲れて「そうじゃない」
「青木?」
「やっぱ、苦手、だよね」
「違うよ、違うって」
僕は彼の頬の涙をそっとぬぐう。
「いいよ、あふれるままで」
君のこと、一番に知っていたいから。どんなつらいことも、どんな楽しいことも。
『一緒、だね』
もう少しだけ、二人は頬を染めあっていた。

ーーこのままnever let you go......

疲れて先に寝たのは僕のほうだった。
「青木君、好き……」
そんな言葉を最後に僕は目を閉じた。




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