カギのかけられた部屋 | ナノ
PARADOX 4

はぁっあっ、ンッんんっ。

青木君との深い……とても深いキス。

あっさりと僕のからだをなめまわし、しなやかなてざわりで下の方へと向かっていく。

「どう? ついてこれてる……王子」

「あっぁあんっ」

快楽でどうにかなってしまいそうな僕の顔に彼は満足げな微笑みを残す。
身体中がくすぐったくて、我慢すればするほどに熱くなる。


上向く三日月だけが二人を見ている。




しかし。

熱くなるのは伊藤……王子だけではなかった。30分ぐらいたったころだった。

「ねぇ、……王子?」
「何? ……青木くん?」
「…………」

顔が明らかに火照っていて、ワンラウンドが終了したというわりには……。

「……熱いよ」

「で? 青木君、言いたいことはハッキリ言ってね?」


僕は知ってる。どうして彼がそんな態度をとるか。

「王子、……キスから」

眼をとろんとさせて僕の口づけを待つ青木君。

「じゃ、第二ラウンドだね!」

彼の上に転がりこむ僕。そして彼が腕を引っ張って僕をのぼらせる。

しょうがないなぁ。

伊藤は妖しく微笑む。
多少ブラックコーヒーに細工はしたけど、僕も飲んじゃったし……。

ゆるしてよね(笑)

僕は青木君の頸に痕をつけ、そして上半身を舌で堪能する。

「おう、……じ……」

なかなかにガードが堅いものの、いつもと違う青木を見れて伊藤は興奮する。

上半身に満足した伊藤は不意をついて彼の頬にキスをした。

「……ャ…ッア」

思わず青木の口から彼らしくない女の子のような声を聞くことができた。

「ひっ……」

弁明しようとする意思をいち早く捉えた伊藤は優しく彼の唇を塞ぐ。


僕の口から垂れる銀色の物質。


ああ、楽しい……。


そろそろ、かな?

「最終段階行く? ……青木君」

僕の問いにうなづくような仕草を見せた。



可愛い……そんな顔はもう……僕以外に見せるなよ?







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