第五話



朝の騒がしさは、昼休みにもいえることだった。
むしろ学生たちのメインは昼食であって、朝よりテンションは高いのだ。

「せっんぱーい!お昼一緒にどーですかーっ?」

勢いよく開いた生徒会室の扉から、ゴールド一行(可哀想なことに、シルバーは無理矢理連れてこられたようだった)が押しかけた。グリーンとレッドは昼食となるとこの生徒会室にやってくるのだが、いつの間にやらそのメンバーに後輩三人組が加わるようになっていた。稀に他の委員も弁当を持ちよることもあって、生徒会室はまさに満員御礼だ。

「ちょっとゴールド君、シルバー君が苦しそうじゃないの」
「あ、ホントだ。ワリーワリー」

襟元を捕まれ続けたシルバーはぐったりとしていた。さっきまで真っ赤だったのに今度は真っ青かよ!
ゴールドがからかうと、シルバーは不快そうに顔をしかめた。

「おい、あんまり騒ぐな…ホコリたつだろ」

グリーンが静止をかけるけれど、後輩たちはきゃっきゃと楽しそうに騒ぎ続けている。生徒会長の威厳はどこへやら、すっかりなめられてしまっていた。
しかしレッドが、みんなごはん食べないの?そう声をかければ、不思議とその場が収まるのだからグリーンは本当に立場がなかったりするのだ。

「あー…そういえば、今日はブラックが来るって言ってたっすよ?」

ブラック、というのはこの昼食メンバーに時々加わる一年生のことである。
久しぶりだなあ、と顔をほころばせた女子二人と対照的に、グリーンは眉をひそめた。どうやらレッドと仲の良いブラックをあまり好いていないらしい。
そんなグリーンを盗み見て、ゴールドは意地悪そうな笑みをグリーンに向けた。

昼休みはまだまだ終わらない。









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