萌え帳 | ナノ




双子小咄☆ゆきの
2009/01/09


 

ぎゃ!
かなり放置ごめん!!なゆきのです。
そうやちゃん、覚えてくれてる?(笑)


今回は双子の小咄を。


双子姉が傷心な設定でお読み下さいね。



















「一華」


航海から戻ったヒノトは頭領への挨拶もそこそこに、勝手知る一室を訪れた。
今の時間なら読書に耽っているだろう。
その予想は違う事無く、目的の人物は静かに座している。


「お帰りなさい。父上と母上への挨拶は済ませたのかしら?」

「まぁな。今回は大した報告もないから早いんだ」

「そう」


書から顔を上げる事無く、淡々とした物言い。
いつもの事なので気にしていない。
読書に没頭すると周囲が見えなくなる様でいて、けれど決してそうでないのは、大叔父と同じ。

室内に入ると、ヒノトは一華の後ろに腰を下ろした。
そうすれば一華と背中合わせになる。


「…ヒノト?」

「んー」



…背中越しに伝わる熱。


口を開きかけたが何でもないと首を振った。

これはヒノトの幼い時からの、癖。
それがどんな時に出るのか一華は知っているから。



「……ありがとう」

「姫君には笑顔が似合うってね」



返ってくるのはおどけた声音。
一華は小さく笑った。

そう、ヒノトは気付いている。
今は一人が辛いと言う事に。
帰ったばかりなのに、流石は自分の対。



「…彼はヒノトの言う良い男、だったかしら?」

「あー?…まぁ程々にな。オレの次だけど」

「三番目になると言うの?それには異議を唱えたいけれど」

「は、三番目?二番目だろ?」

「父上が一番ですもの」

「……はいはい」



背後から聞こえたのは、紛れなく心底からの笑い声。
やがて聞き取れぬほど小さな「ありがとう」の言葉に、ヒノトの眼差しも緩んだ。






















一華ちゃん、振り切れない恋をしてるんだよーな話でした。
そして、ヒノトは知ってます。
どんなに小さな事でも気付くのは、ずっと一緒にいる双子所以でしょうね。お互いにね。

そろそろ天球書こうっ!!
秘めやかな恋もこっそり盛り込みたいしね。

そうやちゃん、待たせてごめんなさい><


 







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