memo
天界鴉。 


▼ミニマム倉間さん。そのに
2012/05/23 00:37

「天馬、倉間を見なかったか?」

剣城と信助の三人で部室に入ると、キャプテンが俺たちに話しかけてきた。二人とも「知らないです」って答えてるけど、俺は知ってる。この場合、言った方がいいのかな……?

「いたっ!」
「どうした、天馬?」
「あ、いえちょっと…すみません、俺も知りません」
「そうか…浜野達も知らないのならお手上げだな……」

すみません、キャプテン。一応心の中で謝ってから、手を突っ込んでいるポケットにいる倉間先輩をつついてみた。さっきの仕返しだ。痛かったですよ!

「天馬ー、早く着替えようよ!」
「あ、ごめん信助、先行ってて!」

とりあえずトイレの個室に入って鍵をかけ、ポケットから倉間先輩を引っ張り出した。さっきから俺の指をぽかぽか叩いたり爪をたてたりぎゅっと握ってきたり、俺に何か伝えたいみたいだ。

「どうしたんですか、倉間先輩」
「お前さっき神童に俺のことバラそうとしてただろ」
「あ、キャプテンだから一応知ってた方がいいかなって」
「やめろ馬鹿!」

俺の親指をぽかりと一つ殴ってから、倉間先輩は「ところで」と切り出した。

「お前、部活中俺の事どうする気だ」
「えっ、それはさっきと同じでズボンのポケットに……」
「それじゃ俺が落ちるだろ!」
「…………確かに…………」

あり得る。サッカーはけっこう激しいスポーツだし。うーん、どうしよう……
と思ったら、倉間先輩が提案してきました。

「…………その頭のコロネの中、とか、どうだ……?」

……………………はい?

「これはコロネじゃないですよ!」
「ツッコむ所そこじゃねえだろ!!」

はっ、しまったあまりにも衝撃的すぎてつい関係ない事を!って今はそれどころじゃない!

「だっ、だめです!」
「何でだよ!そういやお前、狩屋達にそこに指突っ込まれるの頑なに拒否ってたよな……何なんだよそのコロネ」
「だからコロネじゃないですってば……!」
「つうかそこしかねぇだろお前の髪型とかから考えて」
「うう……」

ポケットもダメなら俺の髪の中ぐらいしかない。さんざん抵抗してみたけど結局倉間先輩に押しきられてしぶしぶ頭にのせてみた。

「あ、あんまりひどいこと、しないでくださいね……?」

そう言ったら、倉間先輩は吹きだした。




「で、どうですか」
「…………お前のコロネん中、絶対一回は鳥かなんかが住んでただろ」
「はい!?」
「…………冗談だ」

何を言ってんだか。居心地のいい所を探しているのか先輩は髪の毛でごそごそしてる。

「倉間先輩、くすぐったいです」
「我慢しろ、…………まあ、ここでいいか」

髪の毛の中に倉間先輩がいることになんかちょっと不満だったけど、「おら、さっさと着替えて練習しろ」ってぺちぺち頭をたたかれながら言われたので、まあいいやって思って着替えに戻った。




「天馬ー、そっちに行ったぞ!」
「はい!」

キャプテンに言われて転がっていったボールを取りにいく。ちょっと遠いけど剣城にパスしようとしたら、頭の上の倉間先輩が「ちげぇよ、そこはもっとこう、足のこっち側で蹴るんだよ」って言ってきた。

「倉間先輩……」
「なんだよ」

とりあえずボールを剣城の方にやってから先輩に小声で話しかけてみる。

「もしかして、俺にアドバイスしてくれてます?」
「ばっ……!ちっ、ちげえよ!そんなんじゃないって、あれだ、あんまり下手くそすぎて見てらんなかったんだよ!」
「…………えへへー………」
「おい何笑ってんだ」
「…………いえあの、倉間先輩に練習見てもらってるんだなあって思ったら、なんかうれしくて」
「ばっ……!ばっ…………!!」

俺って、倉間先輩に愛されてるんだなあ。そう思ったのが声に出ちゃっていたらしい。髪の中の倉間先輩が「んな恥ずかしい事言うなぁぁぁぁぁ」って俺の髪の毛を引っ張った。い、痛いよ!




倉間さんがちっちゃくなっちゃいましたそのに。注意し忘れてましたが倉天デキてます。
倉間さん曰わく、天馬のコロネの中は意外と広くて居心地がいいそうです、ってうわなにをするやめサイドワイn(ry




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