memo
天界鴉。 


▼ミニマム倉間さん。そのいち
2012/05/20 13:22

「く、倉間先輩……ですよね?」
「ああそうだよわりぃかこの野郎!」

俺、寝ぼけているんでしょうか。いやいや頬が痛いから夢のハズじゃない。

でも、だったら何で、倉間先輩が、俺の手の上にいるんだろう。





「…………どうしてこんな事に」
「そんな事俺が知りてぇよ!いきなりこうなったんだ!」

倉間先輩、取り乱して若干キレ気味です。

「と、とりあえず落ち着きましょう!ほら、怒ってもどうにもなりませんよ!」
「これが落ち着いていられるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ちっちゃくなっちゃった倉間先輩は、俺の手のひらの上で地団駄を踏んでいる。かわいい、けど、地味に痛いです。

「あれ、天馬だ!どうしたのー?」

すると、遠くから信助の声が聞こえてきて、思わず肩が跳ねた。倉間先輩は「おい、早く俺を隠してくれ!」と凄く焦った声で言ってきているけど、何で?

「どうしてですか?」
「んなもん決まってんだろ、こんな姿、恥ずかしくて知り合いに見せらんねぇだろうが!!」

倉間先輩は、自分の背にコンプレックスを持っているから、その理由にも納得できるけど、でも、

「なんか、もったいないです……」
「は?何でだよ」
「だって、こんなにちっちゃくてかわいいのに!」
「かわっ……!?ちょ、おま、バカか!?お前の頭はその髪型みたいにクルクルパーなのか!?」
「クルクルっ……!?ひ、ひどいです!!」
「ああもういいから早くどっかに隠してくれ!!」
「はい……」

ほんとにもったいないのに…とりあえず言われた通りに制服のポケットに先輩を入れた。そのすぐ後に信助が「天馬ー!何してるの、早く部活に行こー!」と飛びついてきた。倉間先輩にしたら間一髪のタイミング(?)だったと思う。

「うん、行くよ!あ、剣城達は?」
「もう先行っちゃったよ、剣城だけはそこで待ってるけど」
「えっホント、早く行かなきゃ!」

まだポケットに入れっぱなしだった右手から、ぎゅっと小さく掴まれた感触がした。





倉間さんがちっちゃくなっちゃいました。試作品です。まだまだ続くよ!






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