短編 | ナノ





入江奏多

「もうすぐバレンタインデーだね!」
入江奏多は私に威圧感のある笑顔を向けてきた。
何がしたいんだろう。


『そうだね。私抹茶チョコがいい』


「えっ、何言ってんの君が僕にくれるんでしょ。身も心もさ」
この男は何を言ってるんでしょう。
今すぐ木刀で殴っても罰は当たらないよね?


『やだ。絶対やだから』
全否定している私。


「そんなこと言ってないでよ。本当は君もシたいんでしょ?」
頭がどうかしてんじゃないのか?この発情期男を今すぐ殴りたい。何がシたいだ!私はマネージャー業で忙しいんだよ。


『チョコ欲しいの?欲しくないのどっち?』
苛ついたオーラが出てるのが分かったのか入江は私の口の中に何かを入れた。
口に含まれたものは甘くって苺の味がした。どうやら苺味の飴を私の口の中にいれたらしい。

「チョコ待ってるよ」
と言って去っていく入江だった。結局何しに来たんだあの男は?チョコが欲しいのか?でも、飴貰っちゃったしあげるか。

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