短編 | ナノ





創作/狂愛/兄妹

*妹狂愛*

学校も終わり下校の時幼なじみのゆかがいたので一緒に帰ることにした。

こいつと帰るのは久しぶりだから色々とお互いの事を話した。

『じゃあな、ゆか』
家に着いたのでゆかにさよならを告げた。


「ばいばい。宋くん」
ゆかが手を大きく振ってる姿は可愛らしかった。
俺が家に入るまで振ってる気らしいのであいつの手を疲れさせないためにも直ぐに家の中に入った。

『ただいま』
と玄関で言ってみると誰の気配もしなかった。
鍵鍵を閉めって靴を脱いだ瞬間妹が現れた。

『っ!?お前居たのかよ!居たなら返事くらいしろよな』
正直驚いた。さっきまで誰の気配がしなかったのに。
妹はエプロンを着けていたのできっと料理中だったのだろう。


「居たよ。キッチンにね、今日お父さんとお母さん残業で帰れないから夕飯作ってたんだよ!今日は二人っきりだね」
二人っきりって単語にゾッとした。
なんか知らないけどやな予感がする。

『ああ、そうだな』
「そういえばさ、さっきまであの女と居たの?なんで?なんで?」
突然妹の瞳から光がなくなってた。
見るからにおかしいここはちゃんと答えないと不味いよな?


『帰りに途中で会ったから一緒に帰ることにしたんだよ』
俺は出来るだけ妹を刺激しないような言葉を選んだ。


「本当にそうなの?じゃあさ、あの女と私どっちが好き?」
妹は俺を疑ったままだった。
しかも、変な質問までしてきたよ。
これで、俺がお前だよって言ったら完全にシスコン変態野郎になっちまうだろ!
『なにいってるんだよお前?』

「そっか、兄さんは私なんかよりもゆかさんが好きなんだ」
おいおいっ!俺そんなこと一言も言ってないぞ!


「こんなにも兄さんの事を愛してるのに兄さんはあの女が好きなんだね」
だから、俺そんなこと一言も言ってないよ!
話聞こうよ!

『おーい!』
俺が何か言っても返事をしないで聞こえないくらいの大きさでぶつぶつ言い続けてる妹。


「そうだ、こうすればいいのか!ちょっと待っててね兄さん。動いたらどうなるか分かってるよね!」
妹が廊下を駆けて行った。
俺はというと一人で寂しくぽつんと玄関に居た。
ってなんで妹の為にここに居なくちゃ行けないんだよ!
部屋に行こ!
廊下を進んで二階に上がる階段を登ろうとした時妹に肩を捕まれた。


「どこに行くつもりなの?兄さん。私動かないでって行ったよね」
よく見ると妹は片手にくだものナイフを持っていた。
えっ、これって死亡フラグ?
「兄さんどこに居るの?隠れても無駄だよ。早く出てきなよ今ならまだ痛くないですむよ」
誰が出ていくかよ!
でってたとたん殺されちゃうだろ!
それに痛くないですむよって一体何なんだよ。
俺はやっぱり殺されちゃうのか?


「兄さんはかくれんぼがしたいみたいね。私見付けられる自信あるよ」
俺は息を押し殺して妹が他の所に行ってくれるのを待った。


ふぅ、他の所に行ったか。
俺は一回深呼吸した。

「兄さんみーつけた」
クローゼットの扉をバッて開けて妹に腕を捕まれた。
なんで見付かったんだ。
さっき確かにこの部屋から出て行くのが見えたぞ。


「フフフッ、驚いてるみたいだね。この部屋から兄さんの匂いが微かにしたんだよ」

「兄さんはそうやっていつも私の事を分かろうとしてくれないのね。兄さんは私との約束も忘れちゃったのね。こんななも兄さんの事を愛してるのに」
約束なんのことだ?
そんなものした覚えないぞ。

『約束ってなんのことだ?』
「やっぱり忘れちゃったのね。どうせ兄さんはあの女みたいに他の女ともイチャイチャやってるんでしょ。なら一生私のモノにするために兄さんを殺す」
こいつにはもう何を言っても無駄みたいだ。
なら覚悟を決めよう!



『こい、お前になんか殺されてたまるかっ!!』
妹がナイフを俺に向かって振り回してきた。
避けるのが遅かったせいか俺は妹のナイフが体に刺さった。
俺の体は赤い血で染まっていた。
床には血がポッタポッタと垂れていた。

俺の意識はそこで途切れた。

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