親愛 | ナノ





変化

『クッ……ウッ…アァァァァァ!!』
頭が割れる様な痛みがした。
それは合図なのだ、もう一つの人格が私の中に入ろうとしてくる、合図だった
私はそれを潔く受け入れた。

『久し振りに表に出てきたな』
俺が出てきたということはもう時間がないのかもしれないな。



ガタッ―
俺は物音がした方を振り返ってみた。
そこには銀髪の男が笑っていた。
だか、俺が目を放した瞬間そこには誰もいなかった。


『仁王…雅…治…用心しなくてはいけないな』



「おーい、璃琥どこにいるんだよ」この部屋には窓がなかったそのうえ電気がつかない、そのため誰かを声で判断しなくてはならない。
声から判断するとこの声は理央だな


『俺はここにいるぞ』
理央は大丈夫だから俺は理央に自分がここにいることをあかした。



「あっ、そこにいるのか」
俺がどこにいるのか分かったらしいのか知らないが理央は俺の方に近付いてきた。


「その緋色の瞳は…入れ換わったんだ」
理央はこの薄暗い中で俺の瞳の色をどうやってか判断したみたいだ。



『その通りだ、もう、余り時間がないらしいな』



「時間?がどおかしたのか」



『いや、気にしないでくれ。昼御飯食べに屋上へ行くぞ』



――――――――
場所は変わってここは屋上。
もうすでにみんなが来ていた。
一人を除いて、仁王がいなかった、お昼休みなら絶対にここに来るはずなのに。



『なあ、幸村。仁王知らないか?』
いつもの様に平然とした態度で俺は言った。


「それが久し振りに会った人に対する言葉?」
なぜか知らんが真っ黒いオーラが出ている。
あれって一体なんなんだ?

『うん。あっ、それと貴様その真っ黒いオーラは何だ?邪気眼電波か?』
俺がそう言うと幸村は俺の事を睨んでいた。


幸村の回りのヤツはカチンコチンに固まっていた。

理央なんかこの世が終わったような顔をしていた。


「フフフッ、君って本当いい度胸してるよね」
真っ黒いオーラがどんどん広がっていきどす黒くなっていた。


「(まさかと思うけどこっちの方は幸村の黒魔術は効かないみたいだな。)」



『当たり前だろ。このおr「ごめん、私たちこれから用事があるんだった!じ、じゃあね」
理央が俺に何かを言わせないために口を挟んで俺の手を引っ張って去った。
訳のわからないまま俺は理央に引っ張られて行った。


理央Side
『おいっ!理央どうしたんだよ。突然!?』私が璃琥の事を突然引っ張ってあの場から去っていったから璃琥は訳が分からないらしい。


「はぁ、あのままあそこにいたら絶対にお前の正体がバレてたっ!」



『バレてたってなにがさ?』
こっちの方は少し天然が入ってるぽい、だがそれがわざとっていうこともある。

残忍で自虐的なところがある。
それがこいつだったはず。


「〔球技大会実行委員会を13時00分から始めたいので至急実行委員は会議室に集まってください〕」
先生が実行委員を集める放送を入れた。
今日委員会があるなんて聞いてない。
まあ、私がHRに出ないのが悪いんだけどな。
つか、こいつを野放しに出来ないしどうしよ。


『呼ばれてるぞ、早く行け』
にっこりと笑顔で璃琥は私の事を察してくれたのかそう言ってくれた。この何か企んでそうな笑顔は気味が悪かった。
背中に寒気があった。



「お前を一人には出来ない」
見張ってないと絶対に何かしそうで堪らなく心配だった。
でも、委員会に出ないと後で先生等に色々言われる。


『俺何も企んでないし、人を殺そうなんて思ってないよ!』
その笑顔を私に向けないでほしい。
その何もかも見透かした顔で私を見ないでほしい。


「そっか、なら行ってくる」
信じたくないけどこいつを信じよう。
今はこの場から一秒でも早く去りたかった。


『行ってらっしゃい』
さっきと変わらない満面の笑顔でこいつは手を振っていた。
その顔が憎たらしくて堪らなかった。
いつかきっと私は璃琥の事を殺してしまう。



いつから何だろうあんなにも璃琥の事が憎くて殺したくなったのは、きっと真実をしてしまってからだ。
同じ人間なのに何で私だけいらない子なの?
もし、立場が逆だったら璃琥は私の事どう思ってたんだろう?
私と同じ気持ちだったのかな。



璃琥Side

理央は俺の事殺したいみ仁王の仲は徐々に縮まった。


2010・11・22

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