親愛 | ナノ





貴方に溺れていたい

久賀綾ことアーヤと沙由利の三人でユニットを組むように言われてから数日。

幸村の手術が刻々と迫っていた。

ちなみに今はHR中で男装していない私のクラスは幸村と同じクラスだ。


HRで先生が一生懸命何かを話していたが私はそんなことお構い無しにゲームをやっていた。

「よし、じゃあ転校生を紹介するぞ」
ふーん、こんな時期に転校生って珍しいわね。


「はじめまして、久賀綾です。よろしくお願いします」
女か、って今名前なんて言った!?久賀って言わなかった?


『ちょっと待てぃー。なんであんたが居るのよ!!』
立ち上がってビシッと久賀に向かってさした。


「へぇ、この学校に白石が居るとわ聞いていたけどまさか同じクラスになるとわね」


それから先生が久賀の席を決めた。
私の後ろだった。
なんでも、私と知り合いだから面倒を見てくれって言われた。
その為席を私の後ろにされたしありがた迷惑だろ。

「一応よろしく。あんたの隣の席って誰?」


『幸村精市。今入院中』


「へぇ、男か」
久賀が会ってみたいなって小さく呟いていた。


∞∞∞∞
お昼の時弦一郎に今日はお見舞いに行くか聞いた。

『今日も行くんだお見舞い』


「ああ、だが突然どうしたのだ?」


『今日さ、連れていきたい子がいるの。ダメ?』


「お前の頼みなら構わない」
珍しく物わかりがいいなこいつ。


『そっか、ありがとう』
私は久賀と病院に行った。
もう、皆は来ている筈だ。


扉をガラガラッと開けた。
中にはいつもの面子がいた。
つか、お前ら試合が近いのにいいのかな?
まあ、そんだけ幸村の事が好きなんだね。
『久しぶり。幸村』


「久しぶりってお前昨日も来てたよね?」
確かにここ最近ずっと幸村に会いに来ていた。


『いいじゃん』


「いや、よくないから。お前さここを何だと思ってんの?」


『私の遊び場』
私はきっぱりそう答えただって本当の事だし。


「はああ゛、いい度胸だなこの糞尼が(黒笑)」
ヒィー!!大魔王様がお怒りです。
マジヤバイんだけど!死ぬんだけど!!
殺されるんだけど!!
仕方無いからあれやろう!あれ。『すいませんでしたぁぁぁ!!!』
何故か幸村に土下座している自分がいた。


「うわ、ナルシストで自意識過剰で変態エロゲーマで自分の事璃琥様って言ってた痛い子が土下座してるよ!なんかあんたがやると痛いよ。白石」
ちょっ、酷すぎるだろ!それよりもナルシストってのは言い過ぎでしょ。
まあ、確かにそれっぽい行動は多少やってたよ←
でも、加減してた筈……多分。


『煩いな。久賀は黙っててよ!!』
私は立ち上がってそう言った。
久賀が変なことを言ったせいで恥ずかしくなった。


「璃琥ここは病院なんだぞ!静かにしろ!!」
真田、お前のその声が煩いよ。
つか、幸村怒ってない?
うん、怒ってるな。

「フフフッ、いい度胸だね真田この俺の病室で騒ぐだなんて(黒笑」

何故か知らないが幸村が黒いオーラを放ってこっちに近づいてきた。
私は目を反らして理央を盾にした。



「ちょっ、あんた卑怯だろ!?」
私を前にしようと頑張っている理央だったが諦めて暴れだして幸村に立ち向かおうとした。が叶うはずもなく気絶した。私は思考回路を巡らせて今自分がどんな状況にいるのか考えを整理してどうやったらこの状況を抜け出せるか考えた。



「フフフッ、いい度胸だね」
私は顔を反らして幸村を見ないようにした。



『今すぐあっち行けよ。大魔王っ!!』
あっ、必死だったからつい口が滑ってしまって言ってはいけない事を口走ってしまった。



「へーえ、そんなに俺にヤってほしいんだ」
ちょっ、お前は発情期かよ!!
今すぐくたばって仕舞えばいいのに。などと考えていたらマサが私の前に立ちはだかって幸村の腕を掴んでいた。



「人の女に手を出すとは悪趣味だのぅ」
仁王が幸村の事を睨んでいた。ちょっとこの雰囲気は何だよ!誰か助けてくれ!!



「冗談だよ。俺にも一応彼女がいるからね」
幸村に彼女いたんだ。なんだろうこの胸のざわめきは?どうして胸がこんな痛いの?たかが幸村ごときになんでこんな思いがするの?


分からないよ。自分が分からなくなってくる。自分は何の為にここにいるの。何をしにここに来たの?
無意識にいつもここに来ていたこの場所に幸村いや、精市が居るから私は毎日の様に幸村に会いにいってるんだ幸村の事が好きなんだ。
もっともっと幸村の側に居たい。


2011年6月7日

[ 7/7 ]

*prev next#


戻る
しおり