お祖父様の事を思い出してから私は自暴自棄になっていた。
一度はちゃんとしようと思ったがお祖父様を死なせてしまったのが心に響いてどうしょうもなかった。
ちゃんと冷静に考えればきっと何か他の方法があったかも知れない。
なのに私は……。
それに最近はまったく学校に行ってない。朝から晩までずっと不良をボコボコにしていた。
木刀を持ってセーラー服に学ランの上を羽織ってる。これならどこの中学かが分からない。
『どうして…心が満たされないんだろう』
心が満たされないのはこんなことをしているから?いや、違う私は誰かの温もりが欲しいんだ。
次の日私は気分転換に東京に行った。
流石に制服は不味いのでワンピースにカーディガンを羽織ってる。
久し振りにゲームショップに行ったら新作のPCゲームと乙ゲーがあった。
二つ共欲しいがPCゲームは買えないな。
ここのゲームショップ年齢制限とかいろいろ煩いからな。
でも、これ欲しいな、初回だし!
『むー』
「そのゲーム欲しいの?」
『当たり前だろ!これ初回だしあんまり手に入んないんだぞっ!』
と私は誰だか知らない隣の人に言った。
「へぇー、君って見掛けによらず…変態だね。璃琥ちゃん!」
………。あれこの声は随分前に聞いたことがあるぞっ!
つか、ちゃん付けキモい。
『お前はやっぱり、入江かよっ!でっ、何のよう?』
隣を向いたら案の定この前知り合った入江がいた。
「君みたいなカギに特に様はないよ!」
じゃあ、今すぐ失せろ。
『なら話し掛けないでよ。つか、お前じゃなくて徳川さんと会いたいな』
あっ、思わず本音が出ちゃったよ。
「好きなの?」
『うーん、どうなんだろうね、私はさ、彼のテニスしてるとこが見てみたいだけ、だってさ、徳川さんテニス強そうじゃん』
と私は本音を言った。
「テニスをしてるとこか、璃琥ちゃんはテニス出来るの?」
『テニス出来るけど。…今は』
出来ない。無理に決まってる。もう、テニスなんか出来ないんだから。
「今は…?」
『ううん、やっぱなんでもないや、気にしないでくれ』
誰かに話してどうにかなるような事じゃない。
これは私自身の問題なんだ
「なんか悩んでる様だね。あんまり自分を追い詰めちゃダメだよ。璃琥ちゃんまだお子ちゃまだしなんか心配だな」
と入江は私の頭を優しく撫でた。
こいつ案外優しい奴なのかも。
『私はお子ちゃまじゃない!それにこれくらい自分で解決でるるからねっ!』
「ああ、はいはーい」
と私の事をなだめるようにあしらった。
『むーうっ、あっ、そうだ。いいこと思い付いた!入江、これ買ってきてよ!金はちゃんと払うからさ』
私は入江にPCゲームを見せた。
「はっ、なんで。しかもこれ18き ドカッ……うっ」
フーウ、入江が言ってはならないことを言ってしまいそうになったから思わず腹に一発パンチしちゃった。
『……………。』
入江が余りの痛さに私の事を睨んできたので私は視線を反らした。
「本当に君っていい度胸してるよね!」
『お前が言ってはならないことを口にしようとするからいけないのだっ!私は悪くない!……ごめん…なさい』
私は聞こえないくらい小さな声で謝った。
「まあ、いいや。それとこれ買っとくよ!」
私からゲームのパッケージを取ってレジに行った。
『私もこれ買ってくるか』
私も新作の乙ゲーを買うためにレジに行った。
店から出たら入江がいた。
袋を渡されたのでそれを受け取った。
「お金はいいから」
お金はいいからってこれ結構高いのだが。
『いや、それは出来ない、だってこれ結構高いのだぞっ!』
「じゃあ、これは貸しっということでいいかな?」
『貸し、いいぞ。お前がそれでいいなら』
「うん、じゃあ。貸しということで、じゃあね!」
『さようなら』
私はこの日帰ってからずっとゲームをしていた。
2010年9月17日
←□→