『イェーイ、やっと着いた我が故郷!!』
長時間電車や新幹線に乗ってたから体がダルい。
「先輩うるさいっすわ」
と後ろの方から声が聞こえたので振り返ってみるとそこには財前光が居た。
『あれ、光どうしたの?』
私を迎えに来たとかじゃないよね?
「先輩を迎えに来たにきたんや」
マジですか。なんかビックリだな。
『じゃあ行こうか。ねぇ、光、手繋ごうよ』
私がそっと光に手を差し出した。
その手を光の手が握った。
『ねぇ、今日泊まりに来ない?』
蔵と二人っきりなんて堪えられないしね。誰か居てくれないとこっちが堪んないよ。
「いいっすよ……」
光は少し照れながら言った。
照れちゃって、かわいいな。
『よっし、決定ね!そうだ言うの忘れてたけど謙也もいるから』
わざっと今言ってやった。
だってさ、謙也がいると絶対遠慮しますって言うじゃん。
「(この人絶対わざっと今言いはったな)」
光は訴えるような目を向けてきたが無視。
『じゃあ、行こうか』
私は光の手を引っ張った。
――――――
『やっぱ自分の家はいいね!謙也、私寝るから夜になったら起こしてね。…起こさなかったらどうなるか分かってるよな…』
ちょっと眠くなったから寝ることにした。
そして、謙也に起こせと念を圧しといた。
「わかったや。だからはよ寝たらどうや」
なんかの雑誌を読んでいる謙也の膝を枕がわりにして寝た。
「璃琥はよ起きんかい!!」
ペチッペチッ頬っぺたを誰かに叩かれている。
声からして叩いてる相手はきっと謙也だろうな。
後で覚えていろよ………。
まあ、いいや、とにかく起きよ。
『ねぇ、もう起きてるから。叩くの止めてくれない』
私がパッと目を見開いたら謙也がビックとなった。
「そうやって突然目を見開くのは止めんかい!!」
『クククッ、だってさ面白いんだもん』
からかうのが面白いからからかってるのにつまんないな。
「人をからかうのはやめるんや!あ、そやったさっきから璃琥のケータイ光りぱなしやで」
謙也がテーブルに置いてある私のケータイを指差した。
確かにメールが着てるのが分かるように光ってる。
『誰からだろう?………げっ、宮竜神 華恋(クウリュウジ カレン)』
メールを送ってきた相手は私の一番の親友である華恋からだ。
えって、本文はなんて書いてあるんだ?
From宮竜神華恋
Subject生きてる?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
久しぶり
明日の夜にアメリカから帰って来るから
覚悟しなよ!
つか、あんたさぁ
今どこに居るの?
華恋、帰ってくるんだなんか騒がしくなりそう。
To白石璃琥
Subject生きてるから!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
へぇー、帰ってくるんだ
明日までは大阪に居るよ!
メールを手早く打って送信した。
From宮竜神華恋
Subject
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
そうか
あんた、今もしかして大阪じゃなくて神奈川に住んでるの?
返ってくるの早いな。
To白石璃琥
Subject
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
その通り
今は、四天宝寺じゃなくて立海に通ってるよ
この分だと華恋も立海に通うかも。
つか、決定だね。
From宮竜神華恋
Subject
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ああ、立海ってあの立海か!
私も通うことにするから手続きヨロ
あと、あんたの家に居候させてもらうよ
バイバイ
はぁ、手続きはどうでもいいけど居候って………最悪じゃん。
ムゥ、でも逆らえないからな、仕方ないか。
To白石璃琥
Subject
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
分かったわよ!
じゃあね
『謙也明日華恋が帰ってくるって』
「本間か!?なんや、また厄介な奴が増えるな」
がんばれとの意味で肩を叩かれた。
いやさぁ、全然がんばる気にならないから。
『しかも、ヤツは私の家に住むそうですよ』
「それは、あいつなりの気遣いやないか?ほら璃琥一人だと寂しいから(((バコッ」
私が一番気にしてることを言ったから謙也の顔面を殴った。
当然謙也は気絶して床に倒れた。
『はぁ、まったく。これだから謙也はデリカシーがないのよっ!!』
床に伸びてる謙也をそのまま無視して放置した。
そのうち誰かが、片付けるでしょ?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
リビングでは、もうすでに光と蔵が夕食を食べていた。
「璃琥遅かったやないか。謙也はどないした?」
と蔵が私に謙也の事を聞いてきた。
あんなやつしらない!
『さぁ、どこかで気絶してんじゃね』
「おまえ、………ったく懲りないやつやな」
どうやら蔵はさっきの一言で意味が分かったらしい。
『わっ、私は悪くないから』
「あぁ、はいはい」
蔵は食べ終わった食器流し台に置いてリビングから出ていった。
多分床に気絶している謙也をどうにかしてくるんだろう。
まぁ、私には関係ないことだから気にしないでさっさと夕食を食べてしまおう。
「先輩、明日って空いております?」
確か華恋が返ってくるのが明日の夜だから暇だ。
『暇だよ』
「じゃあ、デートしまへんか?」
デートって、光は何言ってんだよ。
確かに光が私の事を好きなのは知ってるけど……でも、私に誰かと付き合う資格はない。
「俺あんたの事がほんまに好きなんや!」
私がウジウジしてたから光が私の両肩を掴んだ。
その顔は真剣で本気の顔だった。
『光………私』
「明日の10時にいつもの場所で待ってますから」
と言って食べ終わった食器を流し台に片付けて去ってしまった。
明日か気分転換に行くのもいいかも。
2010年7月31日
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