「ひ、んっぁ、あッ」

クチュクチュニチャニチャ。
あぁ、まだ夕方なのになんでこんな生々しい行為を先輩としているのだろう。駄目だ駄目だと考えてるのに気持ちいいのが頭を支配して。

「ぁ、あッ…ン、も、ァッ離し、て…っ」
「イキそう?」
「んッ、う…っン、ぁあッ」
「じゃ、一緒に」

腰をより押し付けてきた先輩は二人分の性器を絡めるように合わせて、先端部分を指の腹で押したり撫でたりする。ゾワゾワと射精感が浮かび上がって先輩のシャツをギュッと握りしめると同時に先端に強い刺激が与えられて身体を巡っていた熱を開放した。

「んん…っ、ァ、ああぁッ!」
「……っ」

力が入らない身体を五味先輩は抱き締めてきて押し返そうにも離れない。

「……っ離してくださ」
「し、ん…」

やめろその声。なんか背中にくるから。

「足りねぇ―…」
「は?」
「挿れたい」
「死ね」
「無理。第一この空気でセックスしないのがおかしいに決まってだろ。非常識だ」

なーにが非常識だよちくしょう。抜き合いっこなんかしたから俺まで変態になってしまったのではないか。確かに気持ち、よくて…流されたけどもだ。

「やめ、ちょっ、強姦だ!」
「ちげぇよ、お互い愛し合ってんだから和姦だ」
「いい加減その妄想どうにかしてください!」

快感からの余韻が薄れてきて思いっきり抵抗してみるが、ずれたズボンから入ってくる先輩の指に体が跳ねる。

「や、やめ…っ」
「気持ちよくしてやるから…」

「そこまでだ」

まさに俺の後ろが失われると感じた瞬間、ガッシリと先輩の手を掴む手。驚いた事にそこにいたのは鼻血を出した会計さんがいた。

「生徒会役員としてその行為は見逃せない」
「だからなんだ?」
「風紀委員長の性的暴行について拘束させてもらう」
「ちょっ、性的暴行て」

うわなんかややこしくなってきた。そして会計さんがチラチラこっちを見てくるけど鼻血垂らして気持ち悪いから無視しよう。

「生徒会まで来てもらおうか」
「……互いが好きだったら暴行にはならないだろ」
「見た限り同意の上という行為ではなかったが?」
「つか見てたのかよ手前。鼻血まで垂らして気持ち悪ぃ」
「お前に罵倒されても気持ちよくない」
「会計さん気持ち悪いです」
「おま…っ、不意打ちだな」

なんでこの人こんな悦とした顔してるんだ。珍しく五味先輩もドン引きした顔してるし。

「いや、今はとりあえずお前を」
「だから、お互い同意の上だったらいいんだろ?」
「……」
「なぁ真、別に無理矢理させた行為でもなかったろ?」
「は…?」
「途中から俺の服握って必死に腰も揺らしてたしな」
「ちょっ!!」
「あぁ勿体ねぇ。生徒会の奴らに今回の件について聞かれたら端から端まで隅々と事細かに話さなきゃならねぇなぁ。折角真の可愛い声とかも生徒会のやつらに話さなきゃならねぇし。あぁ、本当に残念だ」

なぁ?と方眉をあげて言ってくる五味先輩は残念そうというよりもまるで最初からこう言い訳するようにニヤニヤと笑っている。これに俺がするべき行動はもう一本になった。


「………………同意の上です」




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