親の事情だなんてベタな転入生はイケメンな男の子と恋に落ちて幸せになりましたとさ、めでたしめでたし。俺的にはイケメンな男の子ポジションにいきたかった。



可愛い男の子が大好きです。
男の子に発情する特殊的体質俺は教室どころか先生にも会っていないがなんか興奮する。さっき職員室の場所を聞いた警備員さんも攻め顔だったがああいうのは反対に泣かせたら可愛いのである。よし今度お誘いしてみようか。なんて自覚ありの不健全思考をフル作動してれば見事に道に迷った。

 母が地元から離れた病院に入院することにより強制的に俺も地元から離れ、こうして新しい学校へと入学した。かといって今の時期に転校生とは珍しく、先ほどからいっぱい好機な目でチラチラと見られている。
あぁでも若干上目遣いなのは勘違いじゃないみたいだ。


「なぁ」


そう声をかけてみればなんともまぁいやらしい笑みを浮かべる茶髪な可愛い子ちゃん。さりげなくを装いながら校舎の壁まで追い詰めれば向こうも首に腕を回してきた。よし、おっけーサインいただきます。


「おい!」


あーん とキスをしようかと距離を縮めればハッキリとした声が響く。声の方へ視線を向ければ金髪であきらかに風紀違反なピアスをつけた男の子がいた。もしや俺、今モテ期?


「お前が高橋だな」
「え? あ、はぁ…、そうですけど」


名前を言われて混乱気味に返事をすればぐいっと肩を掴まれた。


「職員室に来いと言われてるはずだろ?」
「いやまぁ道に迷いまして、はい」
「俺が案内する。着いてこい」


そう言って腕を引かれて可愛い子ちゃんと引き離された。意外と力が強い金髪君はぐいぐいと遠慮なく引っ張る。痛い痛い。




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