「会長、いつまで寝てるんですか!」
「ん―…」
「んー、じゃないですっ」


久々に会計ちゃんに会ったというのにつれない。俺を無視して銀髪の青年の方へ行ってしまう。


「副会長もだいぶ怒ってますよ」
「澄が?」
「はい」
「行きたくない」
「またそんなこと言うんですかっ」


んぅ、なんか寂しい。無視されるのが気に入らない。気付いてもらえるように会計ちゃんの脇をつつけば「っひ」と驚いてくれた。ありがとう。


「なっ…なんで、?」
「なんでって俺の事無視するからでしょう?」
「あ、…わりぃ、無視したつもりは……」


いやいや反対にそこまで眉をハの時にしなくても大丈夫です。多分、いや絶対俺がつついたせいで大切な会話を中断させてしまった。


「あ、今ちょっと会長を探してて」
「会長?」
「あぁ。知らなかったのか?」


この方は生徒会長だと紹介してくれたのが銀髪の青年。いや薄々気付いていたがもしら三年じゃないのか?二年の会計ちゃんが敬語を使うってことは。


「あ―…、なるほど」
「とりあえず生徒会が今立て込んでるんですっ」
「だって書類嫌い」
「嫌いでもやってください!」


唇を尖らせた会長はくぁ、と欠伸をもらして立ち上がる。おお、思った以上に背が高いな。会計ちゃんよりも俺の方が少し高いが会長には勝てなかったか。くそう。


「会長、行きますよ!」
「ふぁ…」


会長の後ろに続いて図書室を出ていこうとする会計ちゃんの腕をギリギリのとこで捕まえる。


「っえ?」
「今日の夜、部屋に来てくれませんか?」
「なっ……!」
「待ってます」


断られる前に言葉を告げればうつむいて微かに頷いた。ありがとうございます と呟いて手を話せば真っ赤な顔で睨まれて走っていった。


「あ―…、やっぱり…なぁ」


薄々と気付いているがまさかと濁していた感情。まさか、まさか。俺が一人に執着してしまうなんて。

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