「……」
「………」


大きめの建物に入ったかと思えばすぐ近くにあるエレベーターに乗る。掴まれていた腕はもう離されていて少し残念だが、ボタンを外したシャツから見える鎖骨でよしとしよう。


「お前、外でああいうことはすんなよ」
「ああいうこと?」
「必要のないボディータッチだ」
「必要のないって?」
「〜〜だからっ、キ、キスとか…!」


うわ、なんだこの上玉。少し苛めたらこんな真っ赤になっちゃって。何この子可愛い可愛い、ちょう可愛い。しかも自分で言って恥ずかしかったらしくそっぽ向いてしまった。耳まで真っ赤にさせて。


「……かーわい」
「は?なんか言ったか?」
「いえ別に」


しらっと真顔で言えば怪訝な顔をされたがあまり深くは考えてないみたいだ。ていうか金髪君、そろそろ真っ赤になってる耳とか通常に戻してほしい。
ムラムラするから。


「―…んんっ!?」


少し無理矢理だがエレベーターの壁に金髪君を押し付けて無防備な唇を重ねれば目を大きく見開いた。遠慮なしに舌も突っ込ませれば「ふ、っぁ、」なんて可愛くないてくれる。金髪君の足の間に片足を割り込み、シャツの中に手を差し込み腰を撫でる。うわ、この腰周りすげぇ好みだ。


「て、めぇ…」


顎から垂れる唾液にまたムラムラしてしまって心の中で手を合わせて、いただきます。


「ひっ…!」


金髪君のベルトのバックルを外し、腰をねたねたと触っている手をズボン内へと侵入させる。さすがに金髪君は抵抗しはじめ、ぐーで殴ってきた。うわ危ない。


「な、にすん…」
「まぁまぁ落ち着いて。とりあえず暴力は止めましょう、暴力は」
「調子のんな……!」


いやいやそんな顔で言われても可愛いだけだって。なんでこいつはこう俺を煽るんだろうか。俺は悪くない、こんな初々しい反応をしてくれるこの子が悪い。だから食わせろ。


「俺と気持ちいい事しちゃいましょう」
「なっ…」


もう一回キスでもしちゃおうと開いてる左手で顎を掴み、まだ何か言おうとする唇に噛みつく。とりあえず気持ちよくしたげようと尻を撫でていた手を下着内に侵入したけど。


「なにしてるのかな?」


忘れてた、ここはエレベーターの中だった。

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テーマ「人外ファンタジー」
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