※出会い電車

(??×大学生)R15




俺が大学に行くために乗る電車はある一部分の人達から"出会い電車"と呼ばれているらしい。
その呼び名の由来は電車で痴漢に会っていた女性を助け、その女性と付き合い、結婚までいったらしい。まるで電○男と言いたいのか。この電車に乗れば出会いがある と噂は広がり出会いだけを求め、乗車してくる客が増えた。別に俺はそれでもいいが、乗客が増えたせいでいつも満員なのはうっとおしい。
こんなぎゅうぎゅうなのに出会いがあると思うのか?あるんだったら俺にも出会いがほしい―――とは思ったがまさかこんな

「んッ、…ゃ、ァあ…っ」
「ほら、また溢れた。気持ちいい?ビクビクしてる」
「っく、ッあ…離し、んんッ」

誰も痴漢との出会いは求めとらん。

しかも声からして男。男に痴漢されてるよ俺!!ジーンズのベルトはほどけ、パンツの中に後ろの男の手が。抵抗したのに、したはずなのに、ちんこ握られてあっという間に半勃ち状態にさせられ、今は裏筋を痴漢の指先が滑る。

「嫌がらせ、なら…やめッ、ひっン」
「嫌がらせ?まさか。僕はずっと君を見てて、ずっと恋い焦がれてたんだけど。こうやって君に触れられてるってだけで……ほら」

耳に掠れた声で囁かれ、後ろの男が俺の尻辺りに腰を押し付けてきた。
……ちょっ、待て、なんで。

「かた…っ、なんで、手前勃ってんだよ……」
「言ったでしょ?僕は君を見てて愛していて、いつも興奮してる」
「な……っ」

女ならコロリと身体を差し出すような殺し文句に流石に恥ずかしくなって、俺は初めて後ろの男の顔を見るために振り返った。

「愛しているよ…」
「え…ちょっ、んんッ」

俺が降り向くのを予期していたのか、相手の顔を見た瞬間唇が重なり、放置されていた性器を扱き始め俺は一気に快感の階段をかけあがった。
つかコイツ……

「ッ、――…んんんッ」

普通にイケメン、つか美形じゃねぇかああああ!!







あれからアイツに開放されたすぐに電車は目的地についた。人混みにおされてホームに立った時、アイツの姿は見当たらない。まぁ再会したとこであの無駄に整った顔を殴るだけなんだが。
朝から痴漢に会い、しかも男。胃が痛い。

「おっす」
「あ、はよ…」
「なんだ?元気ねぇな?」
「ハハハ……まぁ」

痴漢に会ったんだ、男の☆
なんて友人に言えるはずがない。パンツの中は最悪だし。今から大学に行かず帰ろうかな。

「あ、そうそう。前にお前に紹介したいやつがいるって言っただろ?今日やっと授業も重なって連れて来れたんだよ」
「へぇ。そういやそんな事言ってたな」
「で、えーと。いたいた。おーい」

正直友人には悪いが帰りたい。パンツの中最悪な状態で駅のホームに立ってるのってなんか精神的に痛い。

「俺の小学校からの幼なじみだ。こいつこんな顔してるから昔からのあだ名は王子なんだぜ」
「初めまして。ちょっとあだ名の事は言わないでくれる?」
「あー、初めまし――」

て は出てこなかった。
わなわなと唇が震えて思わず指をさす。アイツはくすりと笑って先ほどまで俺の性器を握っていた手をペロリと舐めた。


‐‐‐‐‐‐‐‐
痴漢された人
 黒髪、背は平均より上くらい

痴漢
 生まれつきの茶髪、美形で王子顔

友人
 友人が痴漢に主人公の写真を見せて痴漢は一目惚れ



2011/06/05 14:12
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