佐藤君と田中君 3
――俺の家に来い
「まっ、ちょっ、」
佐藤は夕日が照らす帰り道さえいつもならゆっくり歩くのに今は何故か早急で、逃がさないとでもいうように手を強く握る。道をただ佐藤は無言で歩き、俺と言葉のキャッチボールをしようとしない。見たこともないマンションに着いたかと思えば何か番号を打って中に入る。丁度来たエレベーターに乗り込んで静かな密室空間の出来上がり。
「さ、佐藤…」
チン と空気に似合わない機械音がなり佐藤は俺に目も向けずに歩く。佐藤と書かれたプレートの部屋に入って電気もつけずに薄暗い部屋に連れてこられた。いきなり力強く手を引っ張られてしかも離される。体に当たる感触は柔らかいベッド特有の感覚。
ここは佐藤の寝室――
「お前、何して…」
「自分が今からされること、分かってないんだ」
「…っ」
かぁ っと顔が赤くなる。
羞恥と怒りで、だ。
「離せよテメェ!!」
「本当にお前は……人を煽るのが上手だな」
「く、そ…っ、離せよ…!!」
「お前は俺のモノだろうが…」
低く唸るように言葉を吐き出して佐藤は俺の首筋に顔をうめた。チリッ とした痛みがして眉をしかめる。
「悪いけど、逃がしてやるつもりはない」
そういって佐藤は俺のシャツのボタンに手をかけた。
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黒髪ドSは大好きだ(^ω^)
2011/07/22 20:00
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