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アジト行って様子見てくるから待ってろ。一歩も外に出るな。いっそずっと絶してろ。
私が起きるなり立て続けにそう言ったフィンクスはシャツだけを着替えまたジャージを羽織って早足で出て行った。頭がまだいまいち働いていなかった私はぽかんとそれを見送りしばらくソファーに座ったままでいた。





付き合って直ぐの頃、フィンクスは私に流星街出身だということと仲間の殆どもその幼なじみなのだと教えてくれた。

なら、きっと彼は私は選ばないだろう。古くからの友人達と数年間の付き合いの女。そもそも、複数と単数を比べる事自体可笑しいかもしれない。

それでも良いと思って、それが分かっていて私は彼を選んだのだ。見越していた事だった。いつか私が旅団と対峙するようなことになったらそこが区切りなのだと思おう。そう心に決めた。私から離れてしまえば心は差ほど重く為らない筈。

彼は排他的な私とは違う、それこそ社会からは切り離されているが、優しい人だ。そう、私とは違う。



フィンクスに仲間がいて、それで彼が幸せならそれでいい。一人の女を庇って失って欲しくは無い。私が失う幸せは彼なら絶対に取り戻せる筈。



さようなら。何よりも貴方が幸福であることを祈って。


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