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当てはまらない性格



やけに寝付きが悪いらしいナマエは先程から何度も寝返りをうったり枕を整えたりしている。眠い時は直ぐに寝るし眠くないときはベッドには横にならない彼女がこうしているのは珍しいといえば珍しい。俺が観察しているのに気付いたらしいナマエは小さく溜息をついてから仰向けに寝転んだ。


「イライラしてんのか」

「…さあ」

「さあって何だよ…」


頬杖を付いて横向きに身体を起こすとナマエは俺の枕をずるずると引っ張って抱き抱えた。そのお陰で肘がマットレスに落ちる。尚こいつが何がしたいのかは不明。
仰向けのまま天井を見つめる彼女はやはりどこか不機嫌そうで、けど何だか不安そうな表情にも感じられる。


「仕事先から連絡が来ない」

「あ?」

「メール送ったけど、届いてないのかなあ」


成る程、そう言われてみれば今日一日やたら携帯とパソコンを気にしていた気がする。変なところ(と言うとこいつは怒るが)きっちりこなすナマエにしてみれば、仕事やら取引がスムーズに進まないのは不快なんだろう。


「電話すりゃいいじゃねえか」

「今日様子見たから明日するつもり」

「じゃ寝ろよ明日には解決するんだろうが」


ナマエの寄せた眉根を人差し指でぐりぐりと押すと彼女は鬱陶しそうにしながら顔を背けてしまった。
仕事でストレス溜まる奴は大変だなあと他人事のように感じることは多々ある。旅団でも後始末をする奴らは仕事終わりに結構イライラしてたりするし。俺はというと、その、はっきり言ってストレスが溜まるのは普段の方が多かったりする。主に旅団員やらとの喧嘩だが。


「寝ねえと明日もなにも無えぞ」

「…どういう意味」

「あ?明日のことは明日考えろって言ってんだよ早く寝ろコラ」


取られた俺の枕で元々のナマエの枕に挟むように押し付けると暫くもぞもぞ動いた後、観念したのか大人しくなった。


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