企画 | ナノ








天秤イヴェール「今日はハロウィンという訳で、RomanとMoiraのハロウィン仮装パーティーを行います!」
賢者「…ムッシュー、君は1番参加してはならない存在な気がするのだが」
天秤「ん? どうして?」
賢「ハロウィンというものは元来生者が悪霊を追い払うものなのだよ。しかも死神の格好だと天秤が傾いて…」
ローランサン「あーはいはい、堅っ苦しいことは抜きにして!」
盗賊イヴェール「そうだよサヴァン、楽しめればいいじゃないか」
賢「楽しめれば……既に面白い事態になっているがね」
ロ「げ!? イヴェールが二人いる!!」
盗賊「あー、…どうも。盗賊イヴェールです」
天秤「どうも、天秤イヴェールです」
ロ「ちょ、本人達ナチュラルに挨拶してるんですけど!?」
賢「まぁ、あまり気にしてはいけないよローランサン」
天秤「そうですよローランサンさん……あれ?」
ロ「いや、あの、別にさん付けなくていーから」
天秤「え、でも………サヴァン、どうしたらいいかな」
盗賊「ってかなんでサヴァンに聞くんだ?」
天秤「初対面の人には敬意を払って話しなさいってサヴァンに習ったから…」
盗賊「サヴァンの教育の賜物だな……」
賢「君のしたいようにすればいい。私は君ではないからね」
ロ「お、微妙に辛口」
天秤「…やっぱりサヴァンはそう言うと思った。だから聞くまでもなくそう話してるよ。多分慣れたらもう普通に戻るかもだけど」
賢「…君らしいと言えば君らしいね」
ロ「……なぁサヴァン、もう一人教育し直してみる気ねぇか?」
賢「それは、つまり…」
ロ「なんでそっちのイヴェールとこっちのイヴェールが全然違うのか分かったんだよ。ぜってー育ち方が…――いってぇ!!」
盗賊「比べてんじゃねぇよ!」
ロ「…んの野郎、本気で殴りやがって…」
天秤「…大丈夫?」
ロ「…イ、イヴェールが、優しい……」
盗賊「俺は優しくなくて悪かったな!」
賢「…今更だが君達は……ローランサンが狼男に、イヴェールがドラキュラか。案外適役だ」
ロ「あー、一応仮装ってことだしな。仕方なく…」
盗賊「ちなみに狼さんはこの後ドラキュラに食べられます」
ロ「はぁ!? 意味わかんねぇよ! つーか逆だろ!!」
盗賊「なんでだ? 女の血より美味いもんを見つけたんだよきっと」
ロ「…お前ホント意味わかんねぇしなんか恥ずかしいから黙ってて」
盗賊「嫌だね。さっきの仕返しだ」
天秤「えーっと(やり取り無視)、サヴァンはミイラ男だね!」
ロ「……え、ってかそれ…仮装? いつもと変わらねーじゃん」
賢「顔に包帯は巻いているだろう? 腕にも足にも巻いているのだが」
盗賊「結局着込んでるからわかんねーよ。面白くねぇ」
賢「何やらこの企画は馬鹿管理人があみだくじで仮装を決めたらしいからね…。そんな所で面白さを追求したところで詮無いことだろう」
ロ「てゆーか、そんなテキトーなもんで決めたのかよ…」
盗賊「そんなに獣耳が嫌か?」
ロ「当 た り 前 だ !」
盗賊「…可愛いのに」
ロ「な、んか今日のお前気持ち悪ぃ!!」
賢「イヴェール、彼をからかうのもその辺にしておきなさい」
盗賊「そう? サヴァンが言うなら止める」
ロ「なんでサヴァンにはそんな素直なんだよお前」
盗賊「だって、…なぁ?」
賢「はは」
ロ「……お前らどういう関係?」
賢「別に説明する事でもない。愛とはそういうものだろう?」
ロ「さりげなく凄いこと言ってねぇか? 誤解招くぞ…」
天秤「サヴァン、えっと、…盗賊さんのことが…好きなの…?」
ロ「ほら見ろやっぱり…」
賢「気に病むことはない。彼は君と同じなようで同じではない存在だ。大切にしているのは彼もだが、それは君の延長線上であってのことで総体である君には及ばない」
天秤「うん……」
ロ「ってかここで口説くのやめませんか。そして照れるのもやめませんか」
盗賊「なんだ、ローランサン。口説いて欲しいのか?」
ロ「お前ホントに黙れ!」



エレフ「――で! なんで俺だけ女装なんだ」
天秤「あ、今晩わエレフさん。違いますよ、それは魔女っ子です」
エ「言われなくても分かってる!!! なんでここまで丈が短いのかを聞いている!!」
天秤「っ!!」
賢「マドモアゼル、イヴェールが怖がってしまう。あまり声を荒げないでもらいたい」
エ「マドモア……?」(←仏語が分かってない)
盗賊・ロ「「ぶっ……」」
エ「何笑ってんだそこの二人…!」
?「まぁまぁ、折角楽しいパーティーなんだから落ち着いて。それに凄く似合ってるよ、エレフ」
エ「……………誰だ?」
?「お、お前は兄ちゃんのことを忘れたのか…!?」
盗賊「いや、あんた馬鹿だろ」
ロ「そんなゴーストの格好で分かる人間のがすごいわ」
賢「……兄弟なのに声で分かってもらえないのも実に悲しいがな」
天秤「えーっと、ちょっと失礼します…」(白いゴーストの仮装をめくる)
天秤「…あ、レオンティウスさんですね!」
エ「レオン…? 悪い、分かってやれなくて」
ロ「なんか棒読みだな」
レオン「エレフは照れ屋なんだよ。本当は僕だと分かっていながら敢えて知らない振りをしていたんだ。心の中では嬉しい筈なのにね!」
エ「で、何しに来たんだよ」
盗賊「とてもそんな感じには見えないけどな、レオンさんよ」
レ「………」
天秤「あ、三角座りで泣いてますよ。どうしますか?」
ロ「とりあえず無視していいんじゃねぇの?」
エ「ああ、それが一番手っ取り早い」
賢「誰も哀れむ人間はいないのだな、この場には…」
天秤「えー、あとMoiraからこの方達も来てくれてます!」
シリウス「閣下ー! ――ってえぇぇぇっっっ!!!??」
オルフ「どうしたんですかシリウス……って、か、かかか、閣下っっっっ!!??」
エ「……何も言うな」
ロ「えらい驚かれようだな」
エ「こいつらだけには見られたくなかった…」
シ「か、閣下っすよね!? アメティストス将軍ですよね!?」
オ「流石私達の閣下…! 何をなさっても麗しい!」
シ「いや、これは確実に可愛い路線だ――」
エ「殺されたいかお前らは」(黒い剣を向ける)
シ・オ「「申し訳ないです」」
ロ「あ!! なんで俺のエペノワール持ってんだよ!」
エ「ん? これは私のものだが……ほら、君の腰にはちゃんと君の剣が…」
ロ「あれ? 全く同じ?」(ロラサンが剣を抜く)
賢「…有り得ないことが起きてしまったな」
盗賊「なんかあの二人闘志燃やしてんだけど…いいのか? ほっといて」
賢「まぁ、似た者同士でいいんじゃないだろうか」
天秤「あ、戦い始めましたよ」
盗賊「魔女と狼男が同じ剣でやりあってる…」
オ「不思議な光景ですね」
シ「でもなんか楽しそうじゃね? 閣下」
盗賊「ってかローランサンも笑ってんだけど」
レ「エレフはいつも復讐の為に剣を振るっていたからね、好敵手に会えて嬉しいんだろう」
天秤「あ、生き返りましたね」
盗賊「立ち直り早っ!」
オ「――え、なっ、なんで貴方がここにいるんですか!! レオンティウス!」
シ「有り得ないだろ確実に! 会っちゃいけないだろこのメンバー!」
レ「折角可愛いエレフが見れるのに勿体ないだろう? 君達だけ美味しい想いはさせないよ」
盗賊「言い方が変態臭いぞ…。っていうか俺も会っちゃいけない人がここにいるんだけど」(天秤の腕を引く)
天秤「ふぇっ!? あ、確かに僕らは会ってはいけない存在ですね」
オ「同じ顔が…二人、ですね」
賢「はは、私は実に面白いがね。つまり、この場は身分や私情は全く無視したところだということだ」
盗賊「今日は全部忘れて、ハロウィンを楽しめればいいんだよ」
シ「そうこう言ってるうちに、あっちも片が付いたみたいだな」



天秤「…がっちり握手してますけど」
エ「久しぶりに、…いい相手ができた」
ロ「ああ、お前……エレフだっけか? 覚えてやるよ」
エ「ローランサンとか呼ばれていたな。俺も覚えとく」
オ「……友情芽生えてますよ?」
盗賊「悔しいけど、俺だとあそこまで相手できないからな。芽生えて普通じゃないか?」
シ「確かに、流石に俺達もあそこまではな……」
レ「剣の相手なら私がいるじゃないかエレフ……!」
賢「空気の読めない武人が一人いるがね」







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