2 天秤「はい、ではハロウィンパーティらしくゲームを行います!」 賢「すっかり司会役が板に付いているね、イヴェール」 天秤「ありがとうサヴァン」(ふんわり) ロ「……イヴェール、あれが手本だ。あんな風にふんわり笑ってみろ」 盗賊「却下!!」 レ「まぁまぁ落ち着いて。とりあえず始めようよ」 盗賊・ロ「「何でお前が仕切るんだ」」 レ「………」 シ「すんません、流石に可哀相になってきたんですけど……」 オ「閣下、どうしましょうか」 エ「……はぁー…………レオン、いじけるな。始めるんだろう?」 レ「エ、エレフ……っ!!」 オ「閣下に引っ付かないでいただけますか菌が移ります変態獅子」 シ「最後らへん皮肉りすぎだぞオルフ…」 エ「………連れが騒がしくてすまない、始めてもらえるか?」 天秤「あ、はい。台詞はカッコイイですけど、今の貴方は魔女っ子なので威厳がな――むぐっ」(口を押さえられる) ロ「これ以上話をややこしくするな! 司会だろお前!!」 盗賊「……サヴァン、あれでホントに教育してんのか…?」 賢「素直な物言いは彼のいいところだからね、私の干渉すべきところではない」 ロ「天然は治すべきだろ!!」 天秤「えー(無視)、ではパーティ恒例のロシアンルーレットを行います! とりあえず8個のパンプキンクリームを使ったシュークリームが用意してあるので順番に一人ずつ選んで下さい」 エ「因みにハズレは幾つあるんだ?」 天秤「分かりません」 シ「なんで司会が知らねぇんだっ!?」 天秤「恐らくそちらの地平線の方が背後で暗躍しているらしいので僕にも分かんないです」 レ「ハロウィンを、暗躍?」 オ「そんなことする人間……いましたっけ?」 エ「――もういい大体分かった思い出したくもないとりあえず始めよう」 ロ「何テンパってんだよ?」 エ「ちっ…、毎年毎年忌まわしい……今回はないと思っていたら後ろで糸を引いてやがったか…」 盗賊「…全く話が読めねぇんだけど」 レ「多分、冥府の王のことだよ。エレフはそっちの者達に何故か好かれていてね」 ロ「ふーん……」 賢「まぁ1人1つなら多くても3つ4つくらいがハズレと考えるべきだろうか」 天秤「あ、置き手紙ありましたよ。えーっと、………外国語…」 賢「私が読めばいいのかね」 天秤「…ごめんなさい」 賢「『愛シィ息仔ヨ、ハズレハミッツ用意シテァル。ソレヲ食ベテ早ク冥府ヘ来ルトィィ。――追伸、最近μトφガ反抗期ラシィ。θ少シ哀シィカラ…』……追伸が長すぎるからこの辺りにしておく」 盗賊「てゆーかそれって、ハズレ食べたら死ぬんじゃ……」 シ「閣下!! ゲームなんてどうでもいいから食べないでくれ! 俺が代わりに!」 オ「シリウスの言う通りです! 閣下に死なれては私達はもう生きていく術がありません! 代わりにシリウスが食べますから!」 シ「オイ、そこは『私が食べます』じゃねぇのか!?」 オ「私は生きて閣下をお守りするのです。何か問題が?」 シ「お前は俺を見殺しにすんのか!?」 エ「ああ分かった、分かったから落ち着け。私は逃げないよ、こんな所で死んでいては奴隷部隊隊長などと名乗っていられぬからな」 シ・オ「「か、閣下…!」」 盗賊「なんか信頼されてんだな」 天秤「でもやっぱり魔女っ子だから威厳が…」 ロ「お前が素直で天然で空気読めないことはよーく分かったからそこはもう突っ込むな!」 天秤「…はい」 レ「じゃあ、とりあえずは食べていいのかな?」 盗賊「まぁ…勇気のある奴から食えばいいんじゃないか?」 賢「あと確率は7分の3だ。頑張りたまえ」 ロ「…は?」 盗賊「サヴァン……お前、いつ食ったんだ?」 賢「君達が論争している間にいただかせてもらったよ。勿論ハズレなどではなかったが」 ロ「セコい奴…! 黙って食べんじゃねぇよ! ゲームなんだから考えろよな!」 賢「賢明であると言ってもらいたいね。それに、私に突っ掛かっている暇があるのなら、2番目にでも選んでおくのが得策だと思うがどうだろう?」 ロ「う……、じゃあ選ぶ…………って、あと1個しかねぇじゃねーか!!!」 レ「まだ食べてないけどね」 エ「とりあえず選ぶだけでも早めにしておかないと」 オ「賢者さんに先を越されてしまいましたからね…」 シ「余り物は悲しいからなぁ」 天秤「まぁハズレたらハズレた時ですよ。ね?」 ロ「……ここにいる奴らは全員セコい……」 盗賊「いや、お前が馬鹿なだけだろ」 レ「まぁ残り物には何とかって言うじゃないか、ローランサン」 ロ「お前に慰められんのが1番腹立つ!!」 賢「とりあえず余ったものを取りなさい。この人数だと話が進まないだろう。司会のイヴェールも疲れてしまう」 盗賊「なんだかんだでやっぱり天秤なのかよ…」 天秤「では、進めましょうか。サヴァンは食べちゃったみたいなので、残りの皆さんは同時に食べましょう。心の準備はいいですか? では、せーのっ、」 ――ぱくり ロ「――………!!」 オ「あ、普通に美味しいですね」 天秤「凄い甘くて美味しい…」 シ「うん、俺のはそんなに甘くないけど結構いける…」 レ「私も大丈夫だったよ……って、エ、エレフ? 大丈夫かい!? 顔が真っ青だよ…!?」 エ「…やっぱり……何かに憑かれてるのかも…」 オ「閣下……!! 死んだりしませんよね!? 生きてらっしゃいますよね!?」 盗賊「オイ、ローランサン……お前もやっぱり…」 ロ「…………げほっ」(涙目) 賢「やはりハズレかね」 盗賊「言わんこっちゃねぇな…」 レ「だ、誰かエレフにザオリクを!!」 シ「ド●クエじゃねーからっ!」 オ「閣下ーーー!! 死なないで下さい!!」 賢「こちらはザオリクと言うよりキアリーでいいのではないだろうか」 盗賊「サヴァン、さりげなく乗らなくていいから。……ローランサン、生きてるかー?」 ロ「………」 天秤「返事がない、ただの屍のようだ」 盗賊「だから乗らなくていいから!! ってか勝手にローランサン殺すな!! 息はしてる!」 賢「しかしハズレは3つある筈なのだが……反応は2人だけだな」 盗賊「てゆーか、一体何が入ってたんだ? ローランサン、もう大丈夫だろ」 ロ「……なんか頭、ぶっ飛ぶくらい…甘ったるい…何か……」 賢「…………イヴェール、君の食べたもののはパンプキンクリームだったかな?」 盗賊「俺?」 賢「…あぁ、すまない。天秤のほうだ」 天秤「え、僕? 凄く甘かったけど、あれ違うの?」 盗賊「…普通パンプキンクリームはそこまで甘くないと思うぞ」 エ「……異常な、甘さだったぞ……それこそ冥府が見えたかと、思ったな…」 オ「閣下! ご無事でしたか!」 レ「本気で冥府に行ってしまったかと思ったよ…」 シ「あー、よかったー…」 賢「つまり、3人目はイヴェールだったということか」 盗賊「あの2人がへばってる中でけろりとしてるアイツがこえーよ…」 天秤「あれハズレだったの? 美味しかったけどなぁ」 盗賊「…甘党?」 賢「…ああ、かなりの」 天秤「えー、まだまだ楽しみたいのは山々ですが、時間のほうが迫ってきているのでそろそろお開きにしたいと思います」 レ「もうそんな時間なのかい?」 オ「楽しい時間は過ぎるのが早いものですね…」 シ「また機会があればこーいう企画やりたいな」 エ「……二度とごめんだ」 ロ「……俺も」 賢「意外と楽しかったよ、私は」 天秤「皆さんが楽しんでくれたならイヴェールも嬉しいな。では、ここまで付き合って下さりありがとうございました! またの機会を!」 end. 次のページにおまけがあります。 → |