企画 | ナノ

White day


※バレンタインの続き






天秤「ねぇ盗賊さん、」
盗賊「んー?」
天秤「今日ってホワイトデーだよね?」
盗賊「あー、そういえばそうだな……あ、お返し」
天秤「それそれ。先月はサヴァンにチョコフォンデュ貰ったからさ、何かお返ししたいなぁと思って」
盗賊「そうだよなぁ……やっぱり何も返さない訳にもいかないしな」
ロ「げ、またダブルイヴェール揃ってやがる……」
天秤「……あ、ローランサン」
盗賊「……ああ、ローランサン」
ロ「何だよその反応」
天秤「チョコランサン……あげても喜ばないよねサヴァンは……」
盗賊「天秤、一ヶ月経ってるから流石にもうローランサンだな。ついでにあれは俺のだから勝手にあげたら駄目だぞ」
ロ「何で俺が物扱いされてんだよてゆーかいつからお前の物なんだ!」
天秤「ああ、ごめんなさい盗賊さん。そうでしたね」
盗賊「分かってくれればいいよ」
ロ「無視かよ!? てゆか納得すんな天秤っ!! ああもうコイツ等フリーダムすぎてうぜぇ……!!」
天秤「ところでローランサン、」
ロ「……何だよ」
盗賊「何の用だ?」
ロ「はぁ……散々人のこと虚仮にしておいて…………俺、サヴァンが欲しいもん知ってるぞって言いたかっただけ――」
天秤「何!?」
盗賊「勿体振るな早く言え!」
ロ「おいお前等手の平返すの早すぎだろ」
天秤「で!」
ロ「あーはいはい分かったからとりあえず落ち着け」
盗賊「……でもローランサン、あのサヴァンだぞ? 本なんかやってもあいつのことだから読み飽きてるだろうし、かと言って物も要らないだろ。何が欲しいっていうんだ」
ロ「これ」
天秤「ん?」
盗賊「これって、……天秤?」
ロ「ああ」
天秤「…………ローランサン、殴っていい?」
ロ「はぁ!?」
盗賊「いくらなんでもそれはないだろ、天秤あげてどうする」
ロ「あいつが欲しいもんなんて天秤以外想像つかねぇよ。リボンでも巻いて渡してこい」
天秤「……ローランサン、なんか…………」
ロ「あれ、お前両目が蒼に……」
天秤「ローランサンなんか…………――お前のような愚か者は冥府の底で罪を贖うがいい……!」
盗賊「あ、夜になった」
ロ「はぁ!? なんだよ管理人! フライングだろそのネタ!!」





 ――後、ローランサンの断末魔が響き渡りました。めでたしめでたし。







賢「――で、イヴェールは元に戻ったのかね」
盗賊「今は暴れ疲れたのか身体自体寝てるみたいだから分からない」
賢「夜に傾くぐらいだ、余程ローランサンはイヴェールの感情を逆撫でしたのだろう。一体何をやらかしたんだね?」
盗賊「……まぁ阿呆な発言したから悪い、と思うが、天秤も整理がついてなかったんだと思うな」
賢「そうか」
盗賊「あ、サヴァン」
賢「何だね」
盗賊「Merci. 俺と天秤から。……言葉だけじゃ、駄目か?」
賢「いいや、十分だよ」





end.







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