drrr!! | ナノ

※ヤンデレ、微グロ。
 故にR15です。
 閲覧の際はご注意ください。









 白い首筋に噛みついた。
 驚く静雄を無視し、帝人は執拗に歯形を舐める。唾液でべとべとに濡れた首筋からは、帝人が舌を動かす度、ぴちゃ、と湿った音が零れる。
 時折揺れる自分より大きな身体と、堪えるように押し殺された吐息が帝人の愉悦を増幅させた。
 するすると静雄のボタンを外していく帝人は未だに首筋から離れない。
 すべてを外し終えて現れたのは、均整のとれた肉体。細身でありながら全身に弾力のある筋肉を纏い、引き締まっている。陽に焼けていない肌は白く、ひどくストイックな雰囲気を醸し出す。
「ふふ、相変わらず綺麗ですね」
 満足げに微笑む帝人。
 しゅるりとネクタイを外した。
「静雄さん、両手出してください」
 そう告げる帝人の目は、どことなく冷たい。静雄は背に走ったナニかに突き動かされるように、言われるがまま両の手を差し出した。そこにするりとネクタイが巻き付く。
 静雄の手の自由を奪った自らのネクタイに口づけ、帝人は妖しく笑った。
「勝手にほどいたらお仕置き、酷くしますからね?」
 ネクタイで縛ったからといって、静雄の動きが制限されることはない。この程度の拘束を解くことは、静雄には容易い。それは帝人も重々承知していた。
 必要なのは、拘束しているというスタンスだ。
 支配と、それに伴う強さの掲示。ネクタイ1つで表現しうる最大限の愛情。
 肌蹴た胸へ手を滑らせる。しっかりと筋肉がついた胸板は弾力があり、手に吸い付くようだ。そんなことを考えた帝人はくすりと笑いを零した。しかし、静雄の肌を撫でていた指先に数センチの傷が触れ、途端に帝人の機嫌が悪くなる。
「……静雄さん、説明してくれますよね?」
 低くなった声が静雄の鼓膜を揺らす。
 わざわざ説明させるのが、帝人のやり方だ。何があったかなんて分かっている。そもそもこのお仕置きの原因がこの腹の傷なのだから。それでも静雄の口から言わせるのは、悪いのは誰かはっきりさせるため。
「臨也を殴ろうとして……」
「ナイフで刺されちゃったんですか」
 言い淀む静雄の言葉を帝人が引き継ぐ。にっこり笑うと、傷口に爪を立てた。
「っく、……!」
 静雄が呻き声をあげるが、帝人は突き立てた爪を抉るように捻る。
「喧嘩をするなとは言いません。僕は、できないことをやれなんて無茶なことは言ってないですよね。…本当は喧嘩だって嫌だけど、静雄さんの気持ちを尊重して我慢してるのに。なのにどうして静雄さんは、僕との約束を破るんですか」
 酷いです。そう付け加えられた言葉は物悲しく、けれど甘美な愉悦が含まれていた。
「…み、かど」
「はい、何ですか?」
 静雄は何も言わず、目だけを自分の腹へ向けた。
 帝人によって開かれた傷口は、じわりと熱を伴って細く血を流す。
「あぁ痛いですか? でも静雄さんは痛いの好きだから平気ですよね。だってそうじゃないと、毎度毎度怪我を作ってくるはずないですもんね。…そうか、怪我をしたいから臨也さんに喧嘩売るんですか? だったら僕に言ってくれればよかったのに。静雄さんが望むなら、僕頑張りますよ。力は弱いけど道具を使えば傷をつけるくらいわけないです」
「そうじゃねぇよ」
「じゃあ何ですか?」
 帝人はまるで普段通り、首を傾げきょとんとしている。
「……お前の指が汚れる」
「静雄さんの血は汚くありません」
 帝人が血に濡れた指を嘗めた。
「ほら、とっても甘い。静雄さんも嘗めてみますか?」
 真っ赤に染まった指先を差し出した帝人が綺麗に笑う。静雄は首を振った。
「そうですか」
 暫くの間、沈黙が降りる。
 ただ何も言わず傷口を見つめる帝人と、帝人の指先を見つめる静雄。そのどちらもが白く、それゆえに赤を引き立てる。
 何を思ったのか、帝人は再び傷口から血をすくい、紅のように唇に引いた。
「もう怪我しないでくださいね」
「ああ」
「約束、ですよ?」
「……もう破らねぇよ」
「ならいいです」
 2人の距離が静かに近づいた。



約束はい口づけ

(傷ですら、他人のものは許せない)




* * * * *
リクエストは「ヤンデレ帝人」でした。
ヤンデレになってますか?(汗)今回はちょっと裏っぽい雰囲気にしたかったんですが、何故か帝人様降臨で終息するという謎(笑)
あとはグロくなりすぎないようにその辺の描写はなるべく簡素に。…考えただけで痛いから言葉にするのは避けた←
リクエストありがとうございました!


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