drrr! | ナノ

2人が病んでます。
更にぬるいですがエロです。
18歳未満の方の閲覧は禁止です。









 どうしてこんなことになったんだ。
 静雄は後悔していた。
 ベッドに眠る恋人を前に、静雄の目は虚ろだ。
 眠るというのは少し語弊があるかもしれない。帝人は気絶したのだ。そしてそのまま寝てしまった。
 時折思い出したように身動ぐ以外、ぐったりとしていて起きる気配はない。
 静雄は首筋に残る歯形に指を這わせる。薄い皮膚が破れて、血が固まっていた。
 傷口が痛んだのだろうか。帝人の睫毛が俄に震えたのを見て、さっと手を引く。しかし途切れることのない彼の寝息に安堵し、目を伏せた。
 静雄は、今の帝人を見ることができなかった。それは自分の行為に対する罪悪感からか、それとも自分の気持ちへの絶望からか。
 身体中に歯列と血の跡を残す帝人に布団を掛ける静雄。
 何もかも隠してしまいたい。
 眠り続ける帝人を、ただただ見続けた。


─────……


 ことの始まりは、臨也が帝人に抱き着いたことだった。
 それは、帝人にとっては嬉しくない日常だ。臨也が帝人にちょっかいをかけるのは、今に始まったことではなく、その度に静雄がキレて収集がつかなくなる。
 日常と言っても差し支えのない光景のはずだった。
 静雄が実際に行動するまでは。
 臨也にキレて追いかけ回し、街を破壊したところまではいつも通りだった。
 帝人はその様子を見ていることしかできなかったし、臨也は飛んでくる障害物を器用に避けて逃げきった。
 いつもなら、臨也が居なくなれば不機嫌ながらも怒りをおさめ、静雄は帝人に謝るのだ。
 しかし今回は違った。
 帝人の手を引いて歩き出した静雄は、帝人の声にも耳を貸さず自分の家に帰った。
 家に入り帝人を視界にとらえた静雄は、頭が真っ白のままだ。そこへ再びどす黒い思いが入り交じり。
 そして。
 何か言いたそうにしている帝人へ口づけ、首筋に噛みついた。
「…いっ」
 帝人は繊維の切れる音を聞いた。
 声を出すことすらままならない帝人を労るように、静雄は傷口を執拗に舐める。
 静雄がゆっくりと帝人を押し倒した。背中から伝わる冷たさに帝人の肩が跳ねる。
「…ぅ、あ」
 首筋のピリピリした痛みに声を抑えることができない。背筋を走った何かが帝人の脳を蝕み、それが下へ降り確かな熱を産む。
 静雄の手が器用に脱がせて行くのを理解しながら、帝人は恍惚と笑んだ。それを静雄が知ることはなかった。
「帝人、……帝人」
「っ、はぁ、静雄さ……」
 冷えた指が肌を伝う。触れた部分が熱を発するように熱くなり、妙な寒さを覚えた。
 静雄は、帝人の名を呼んではほっそりとした肢体に噛みつき跡を残す。その後を舌が這い、溢れ出た血が消えた。指だけが優しく、帝人を少しずつ追い詰めていく。
「し、ず……さん」
「どうした? 帝人」
 余裕のない声で呼ばれた静雄は顔を上げて、帝人を見る。
 帝人は熱に浮かされた目で静雄の冷めた目を見つめた。その温度差が気持ちいい。緩みそうになる口元を引き締め、帝人は訴える。
「僕、もう……」
「そうか、分かった」
 目に涙を溜める帝人に小さく頷き、静雄は帝人のズボンを下着と共に下ろした。現れた自身は反応を示している。そっと握り明確な意思を持って上下に扱き始めた。
「うぁ、やっ…あぁ!」
 あられもない声を上げて乱れる帝人の足を片手で掬い上げ、太股の内側に噛みついた。
 柔らかく、脆いそこを何度も、何度も。刻みつけるように、何度でも。
「誰にも、渡さない」
 これは俺のだから。俺の、俺だけの帝人だから。
 噛まれる痛さを、脳は誤魔化し始めたようだ。帝人は噛まれる度に甘い声を出す。傷口を抉るように舐める舌に身体が悦び跳ねた。
 そして帝人は先ほどの言葉通り限界を迎える。一際高い声と共に、溜まりに溜まった欲を吐き出した。
「力、抜けよ」
 静雄は静かに告げると掬い上げた足を更に上げて、蕾を晒す。吐き出したそれを指で取り、息を乱す帝人の蕾へ塗りつけた。帝人は急激な刺激に目を見開く。
「は、…ふぅ……」
 狭いそこへ指を一本へ入れゆるゆると出し入れをする。帝人の目から溢れる雫の跡を舐めるように辿り、静雄は耳を食んだ。
「ひぃ…、は、あぁ」
「帝人、名前呼べ」
「…し、ずおさ……ん」
 壊れたように静雄の名前を呼び続ける帝人に満足し目を細めた。
 静雄の指に合わせて、帝人が息をする。静雄は宥めるように頭を撫でながら、徐々に指を増やしていった。
 暫くすると指が3本になり、出し入れがスムーズになった。その頃には帝人は無意識に腰を揺らし、静雄を誘う。
「そろそろいいか?」
 指を引き抜き、静雄は帝人の目を覗き込む。こくん、と頭が動いたのを確認すると、ズボンを緩め自身を取り出した。
 下肢に触れた熱に帝人がびくりと震え、それを受け入れようと息を整える。
「行くぞ」
 言葉と同時に静雄は腰を進めた。
「う、あ、…あぁ、しず…ぁ」
「大丈夫だ、帝人」
 いくら慣らしたとしても、本来の目的を外れた使い方をすれば、やはり相当な痛みを呼び起こすのだろう。帝人は呼吸もままならず、呻くように静雄を呼ぶ。静雄の方も中の狭さに痛みを覚え眉間にシワを寄せる。けれどどうせ痛いのなら短い方が良いと、止めることなく全て挿入れることを選んだ。
「…は、全部入った」
 静雄が言うと、帝人がこくこくと頭を振る。生理的な涙を流しながら、帝人は苦しそうに微笑んだ。
「も、動い…て、くださ」
「……知らねぇぞ」
 煽られた静雄が、帝人の腰を掴み動き始める。唇で涙をすくい、帝人を抱き締める。
「ひゃ、っ…しずお、さ」
「帝人…、好きだっ」
「…ぼく、も…!」
 静雄は鎖骨に強く噛みつく。その刺激に足を痙攣させ、帝人が達く。締め付けが強くなったことで、静雄も果てた。
 そして帝人が気絶した。


─────……


「静雄、さん…?」
名前を呼ばれ肩が震える。帝人が目を覚ましたようだ。
「…泣かないで、静雄さん」
 布団から腕が伸ばされる。
 涙を拭う指が怖かった。静雄の歯列を残した腕が晒されて、自分がしたことの重さを知る。
 泣くことなんて、許されない。泣くのは自分ではなく、目の前に居る少年であるはずなのに。それでも、涙を止めることができなかった。
 帝人が身体を起こす。
「どうしたんですか、静雄さん」
「……悪い」
「何がですか」
 帝人の声はどこまでも優しい。いつもと変わらない温もり。どうしても手放せない、温度。
「…こんなの、普通じゃない」
 静雄は帝人の手を取り、傷を撫でる。目を合わせることができなかった。もしそこに恐怖や否定の色が浮かんでいたら。静雄は眉を寄せる。
「普通って何ですか?」
 そう呟いた声は冷たいものだった。
「普通じゃないのが嫌なら、僕と別れないと。男同士なんて、それこそ普通じゃないです」
「──ッ」
 息を詰めた静雄は、ゆるゆると首を振る。
 それを見た帝人が口元に笑みを浮かべて、静雄に近づく。耳元で囁いた。
「でもね、静雄さんを好きなことが普通じゃないっていうなら、僕は普通なんて要りません」
「み、かど……」
「だからそんな風に自分を責めたりしないでください」
 静雄の首へ腕を回し密着する。帝人の声はどこまでも優しく透明だった。
「僕、静雄さんになら何をされても平気ですから」



だから泣かないで

(僕はとっても幸せなんですから)


「この傷が消えたら、またつけてくださいね?」
 綺麗に笑う帝人に、静雄の涙は見えなかった。




もう何がなんだか…。
病んでるのは楽しかったです、またやりたいなぁ。
エロは無理でした、乙←


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