キャンドルには小さな火が灯っている。 オレンジ色したそれは、少しだけ温かく少しだけ熱い。そしてひどく冷たい。 ゆらゆらと頼りなく風になびいて、消えてしまわないかと不安になるのに、その実意図的に息を吹きかけるまでは消えないのだ。 ぼんやり明るい火を、少年はベッドで布団にくるまった見ていた。腰にある太くしなやかな腕は後ろから少年を抱えるようにして眠っている男のものだ。 互いの熱を分けあう関係。それは、今、少年の目の前にあるキャンドルに灯る火と同じだと思う。 燃焼しているのだ。例えば酸素を、蝋を、恋を燃焼して、二酸化炭素を、熱を、欲を吐き出す。燃焼という化学反応によって生み出されたエネルギーは、果たしてそれ以上の恋を生み出すのだろうか。 ―――僕らの恋は、消えかけの炎に似ている。 今にも消えてしまいそうな、小さな小さな火。燃やすものが尽きて、あとは少しばかりの芯が残るだけ。なのに決して消えない小さな火。 もう少し、あと少し。そうやって終わりを先伸ばしにして、ゆらゆらゆらゆら頼りなく燃えている。 そんな火が、2つ。1人が1つずつ小さな火を寄せあって、少しでも長く長く燃え続けますようにと炎にした。 それはまさしく僕らのようだ、と少年は笑い、腹にある大きな手に触れた。窓から強い風が吹くことを静かに祈って、少年は目を閉じる。 ―――僕からは終わりを告げられないから。それはきっと、彼も同じだから。 ふわり、と風に煽られたキャンドルの火が消えて辺りは暗くなった。
僕らの恋は、消えかけの炎に似ている。 (仕方なかったとこの恋を諦める理由が欲しい)
好きだけど終わりが見えるから、今のうちに諦められる理由が欲しいとかそんな感じ。どのCPでもいける気がする←
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2011/09/24 04:33
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