心の隅で泣いている、もう一人の自分に問いかけてみたところで何も変わりはしなかった。僕は正しいことがわからないし、世の中は正しくないことだらけだ。それでもあの坂道から見える夕日は泣きたくなるほど綺麗で、こんな世界も悪くはないと思ってしまう。きっと春が来ても僕は相変わらず弱いままで、あの日抱いた夢は、まだ叶えられないでいる。窓の外では一番星が控え目に夜の訪れを知らせていた。