(20120326)
普段からあまり良いとも言えないバージルの機嫌は急落していた。
原因は、今まさに目の前にある。
双子の弟が行儀悪く机に脚を上げて読んでいる──成人男性向けの雑誌。
女である自分がいるのに配慮もなくそんなものを広げているのには勿論腹が立つが、それだけでもなかった。
表紙を飾る金髪の美女が、豊満な身体を惜しげもなく晒して挑発的なポージング。殺意が沸いて来た。
「……」
お世辞にもバージルの胸は豊かであるとはまあお世辞にも言えない。
「(…別に私には関係ない、胸などただ単に脂肪の塊だ、scum)」
眉間のシワが凄い事になっているバージルは、ダンテが見ている事にも気付かなかった。
「バージル」
「…なんだ」
普段より低い声のバージルにわざとらしく肩を竦め、雑誌を置いて立ち上がる。
「なーんだよ、ご機嫌ナナメだな」
「黙れ馬鹿が」
暴言を吐かれても、自分の腕を拒まないのを知っているのでダンテは後ろからぎゅうと抱き締める。
やはり、嫌がるようなフリはしてみせるが本気で腕から抜け出そうとしないバージルに、ダンテはへにゃりと笑った。
「可愛いなー、バージル」
「な、っ…頭が沸いたのか貴様」
「嫉妬した?」
後ろに撫で付けられた、柔らかい髪に顔を埋めてぐりぐりとすると、仄かに甘い匂いがした。
「そんな訳、」
ない、と言えなくなったのは、唇が塞がったから。
何故唇が塞がったのか、なんて愚問だ。
「……っ!」
ダンテを押し退け、真っ赤になったバージルは、
バキッ。
「〜〜〜〜っ!?」
「Die!」
閻魔刀の鞘でダンテの頭をかち割る勢いで殴り、部屋へ戻ってしまった。
「(──馬鹿が、人がどれだけ不安かも知らないで…!)」
ひとりうずくまったダンテは、バージルが怒った理由も分かれずに涙目で頭をさすっていた。
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バージルが偽者だ!
ネロよりツン二割増しだと思うのですお姉さま。
あと個人的に貧乳希望。
バージルが雑誌に嫉妬してちゅーで真っ赤になったら可愛いなあって。
ダンテは可愛いからってわざとヤキモチ妬かせるタイプじゃないかなって。
思った結果がこれだよ\(^o^)/
(3DV♀)