くすくす
にやにや

「…何、朝から皆して」

にんまり顔を隠そうともせず、目が会う度に微笑ましげな笑みや、からかいの笑みを寄越す同級生に、夏油はうんざりした顔を前面に出した。

「いやあ、ねえ、硝子」「気付かないもんだな」
「おい二人で会話すんなよ、俺も入れろよ」
「五条なんで夏油の見方してあげないの、可哀想じゃん」
「ちょっと、何、可哀想って。何の話」

少し離れた所に行き、煙を吹かす硝子。標的が一人になった途端こりゃあいいとばかりに、五条はあの子を揶揄うように持ち上げる。

「ヤメテ!」
「やだね」
「夏油たすけて!」
「助けて欲しかったら、朝から人を見て楽しそうな訳を言うことだね」

なんて言えば、あの子と五条は目を見合わせた。

「あらやだ、気付く気配ゼロでしてよ五条サン」
「そうね、傑サンたらお茶目ね」
「いい加減怒るよ」
「え~でも言ったら夏油なあ」「なあ~」

持ち上げられたままにやにやと笑うあの子と、持ち上げたまま意地悪い笑みを浮かべる五条。夏油はジト目で硝子を見やったが、さらりと視線を躱された。こういう時の硝子は我関せずだ。外野から見てる方が楽しいらしい。

「もういいから。言って、ほら」
「しょうがないなあ…泣いちゃダメだよ。五条サン言ってやってちょうだい」
「俺でいいの?」
「いいよ」
「んじゃあ…傑サン、貴方朝から口の端にご飯粒付いてるワヨ!かわいこぶるなよ」



「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -