ふしだらなヒミツ

それからスパイス¢アき



「さて、」

日曜日、ジョースター家リビングにて。
集まった面々のなかでにっこり笑って言うジョナサン。さて、

「ジョセフの部屋から、こんなものが見つかったんだ。」

ジョナサンが差し出したそれに、各々は思い思いの反応を示す。当のジョセフは真っ赤になったあと名前の方を見て、顔色をこれでもかというほど青くした。その名前の両目には、笑顔のままジョルノが両手をしっかりと覆いかぶせている。

「ジョナサン、俺の部屋は掃除しなくていいって言ったじゃん!?」
「悪臭がするって徐倫から苦情が来てね。」
「アンタの部屋の前通ると変なニオイすンのよ。」
「変なニオイって何です?イカ、みたいな?」
「な、なななに言ってやがんだよジョルノ!く、くそ、最近の中学生はマセやがって!」

ぷんすこするジョセフはビシ!とジョルノを指差すも、本人はつんと知らんぷり。

「むきー!オイジョナサン今回の家族会議は最近生意気な妹弟共の教育についてにしようぜ!」
「話逸らそうとしてんのバレバレっスよ。」

仗助が呆れたように言うと、ギク!と面白いくらいわかりやすい反応。妹弟組は白い目をジョセフに向けた。

「‥‥やれやれだぜ。」
「へん!べ、別に俺がエロ本読んだっていーじゃあねェか!個人の勝手だろ!」
「それは、まあそうなのだけれど、」

いっそ開き直ったジョセフに、ジョナサンは提示したそれを2度叩くと、困ったように笑う。

「問題は内容みたいね。」
「そう。」
「オイ徐倫、女がこういうもんをじっくり見るもんじゃあないぜ。」
「今はカマトトぶってる場合じゃないわよ。これ、妹モノってヤツじゃないの。」
「え、」

「じょ、ジョルノ、私も話に交ざりたい。」

ひとり会話の流れについていけず、じっとしていた名前が言うと、彼女へジョルノはにっこりと微笑みを落とす。

「いいえ、姉さん。こんなもの見るべきじゃありません。綺麗な姉さんが汚されてしまう。最低ですよ、この男。」
「よりにもよって女子高生の妹モノがお好きとはね。良い趣味してるわ。」
「えええ女子高生の妹モノってジョセフてめえ徐倫のこと!?」

「ん?」

「え?」

「はァ!?ちょ、ちょっと何言ってるの名前ちゃん、冗談キツイぜ!誰が好き好んでこんなムキムキ女と!」
「言い残したことはそれだけねジョセフ。」
「今のは墓穴を掘ったっスね。」
「そういえば、どことなくこの子名前に似てるね。」
「女子高生で妹っつったら名前しかいねえからな。」
「え、っとお、」
「ま、まじかよ、ほんとにジョセフって私のことそういう目で見て、じゃ、じゃあこの前のアレも全然おふざけでなく!?」
「いっ!?!!」

「この前の、」
「アレ、」
「ってなんなの、ね?ジョセフ?」

「‥‥名前ちゃん、ジョナサンと承太郎にメールしたってのは?」
「嘘に決まってんだろ‥‥。恥ずかしくて言えるわけがないもの。」
「でええええええええ!?!!」

「この前のあれってのは、ジョセフが名前にクスリ盛ったんスよ。」

「‥‥。」

「シーザーさんもいたけど。」
「彼はしばらく出禁だね。」
「じょ、仗助〜〜〜ッ!なんでわざわざバラすんだよ!?」
「まさか逃げられると思ったんスかァ?」
「思わないわよねえ?」
「僕らが居ない間名前にそんなことして‥‥この外道が。」
「見苦しいぜ。」

「さて、」

冷や汗をかくジョセフの目の前で、にこりとジョナサンが笑う。

さて、



「あのあと何があったのか、言ったら大変なことになっちゃいそうっスね。」

ジョセフを囲んで集中砲火な皆を少し離れたところで眺める仗助は、同じく隣に立つ名前の左手を後ろ手でぎゅっと握った。

「そ、だね。」

びく、と体を揺らしたあと恐る恐る力を返す名前がみるみる赤く染まるのを見て、仗助は愛おしそうに頬を緩ませて言う。

「兄貴にも困ったもんスよ。」

まあ、ジョセフだけじゃあ無いけれど。
ジョナサンも、承太郎も、徐倫も、ジョルノも、だから、

「俺が18歳になるまで、ちゃあんと待っててくださいね。」



俺だけのものに、したいから。


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