《 暁と日常 》 | ナノ
花粉症

〈鬼鮫〉


「うがー!」

「そんなに力いっぱい擦ったら角膜に傷がついてしまいますよ。」

「猛烈に痒い。」

「見ていればわかります。」

「くそ‥‥花粉め‥‥」

「鼻もぐずぐずだし、また随分とひどいんですねェ。」

「鬼鮫さんは大丈夫そうだね。」

「お陰様で。」

「むかつく!」

「八つ当たりはよく無いですよ。」

「うう〜〜〜‥‥」

「本当に辛そうですねェ。薬は飲みましたか?目薬は?」

「薬は飲んだ、目薬は‥‥ちょっとトラウマがありまして。」

「トラウマ?おやおや‥‥ふむ、それなら舐めて差し上げましょうか。流石に唾液に花粉は含まれていないでしょうし、幾らかマシになるのでは?」

「ん!?舐めるって、ど、どこを?」

「あなたの眼球以外にどこがあるんです?」

「は?えっあの、いや、いやいや、ご遠慮させて頂きます、は、はは。」

「何故?」

「え゛、な、何故も何も、え、えっと、鬼鮫さんの舌ざらざらしてそう!だし、あの、」

「失礼な。ならば試してみなさい。」

「うぎゃあああ!?!???」


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