肩ぐるま
〈鬼鮫〉
「鬼鮫さん、ておっきいですよね。」
「何がです?」
「え、身長ですよ。」
「‥‥。」
「何の間ですか。」
「いえ、期待した私が悪かった。」
「はあ?」
「気にしないでください。なんでしたっけ、私の身長ですか。確かにそうですねェ、暁のなかでも一番大きいですからええと、195はあります。」
「ひゃくきゅうじゅうご!?!!トトロまであと一歩じゃないですか!」
「ととろ?とろろの間違いでは?」
「あなた、きさめって言うのね!」
「そうですけど、」
「ちょっくら私をお腹に引っ付けたままコマに乗って夜空のお散歩しませんか?」
「お断りします。」
「そんな‥‥。」
「残念そうですねェ。‥‥そうだ、高いところが良いのでしたら、これで。」
「う、うわわ!?」
「どうです?」
「す、っごい、トトロ越えだ!あ、大丈夫ですか、肩ぐるまなんて鬼鮫さん、ぎっくり腰になりません?」
「なめて貰っては困りますね。名前さん程度でしたら3日間はこのままで平気ですよ。」
「桁が違う。」
「ふふ。さて、アジトの中では何ですから、外に出ましょうか。見晴らしが良いですよ、きっと。」
「いえー!発進!ってちょっと待ってくださいぶつかるぶつかるもげるもげる!!!」
「何が。」
「私の首が!」
「ああ、また付け直せば良いでしょう。」
「私を飛段みたいなびっくり人間と一緒にしないでください。」
▽オマケ
「あっ、なーにしてんだ名前!」
「いいでしょー!飛段も乗る?トーテムポールトーテムポール!」
「嫌ですよ、私は名前さんだから乗せたんです。」
「ムッツリかよ‥‥。」
「成る程、そんなに乗りたいなら乗せてやりましょう、飛段。ただでさえ少ないその頭を削り取ってやりますよ。」
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