《 へんてこりんな 》 | ナノ
第肆夜

通知数、512。
内訳、500がいので、1がサクラ、11その他ほかお友達。

「うわ、」

サクラさんの、めっちゃ長い。
個性出るなあ。


いののお陰でがつんと充電の減ったそれをコードに繋ぎ、部屋を出た。
とんとん、階段を下りていくとドアから光が漏れている。

「あれ、あんた居たの。靴があるからおかしいなあとは思ったけど。」
「その時点で気づこうや。今日の夕飯なに?」
「レバニラ。」
「まじ?」

母親ってすげえ。なんかこう、神秘的なものすら感じるわ。ててててテレパシー。

「あ、あんたレバー嫌いだっけ。」
「や、これから頻繁にレバー食べたい。あとほうれん草とかひじきとかも出してけろ。」
「なあに、妊娠でもしたの?」
「相手がいません。」
「それもそうね。そんなに鉄が足りないなら鉄棒でも舐めてなさい。」

雑すぎか。

「さてはこの話題どうでもよくなったな。」
「早く食べちゃって。」

そらしたね。ばればれですよ、奥さん。

「テレパシー、テレパス。親子の絆?」
「何言ってるの、ほんと馬鹿ね。」
「身も蓋もないな。ごちそうさま。」
「それじゃあ朝ご飯はひじき。」
「ういー。」


早々に風呂に入る。課題なんて知らん。今日くらい、やらなくても許されるだろう。湯船の中体育座りでぐうと腕を伸ばすと、途端頭が冷たくキンとした。いかんいかん、のぼせないよう、はやめはやめを心がけて。長風呂するの、好きだったのにな。



さて、今日一日で天井を何度眺めたことやら。何度も言うけど、これから貧血と付き合っていかなきゃならないとは。しかし、色んな人から心配してもらえたりして、なんというかまあ、今幸せだから結果オーライ。あ、充電しっぱなし、それと返事してねえや。まあいっか、結果オーライ結果オーライ。明日は学校、多分行っても大丈夫だよな。ご心配をお掛けしたお詫びに、いのとサクラにブラッ○サンダーを奢って進ぜよう。そして2人の前で、それいっこ110calもあるんだぜ、やっべえよな、って言うんだ。恋する乙女の仇、私。ほら大丈夫、明日も楽しみ。不安なことなんか無いよ。ちょっと倒れたくらいで弱気になるな。頑張れ頑張れ、未来は私にライジング。阿呆ヅラで大仰に笑う自分の顔がぐにゃりと歪んで、本日3度目の眠りにおちていく。
いや、やっぱ、急にこうなったときは、ちょっと怖かったよ。


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