!現パロでジョースター家との家族設定




「名前!兄ちゃん悪かった、ホント悪かったって!俺も反省してっからさ、だから好い加減ドア開けてくれ!」
「ジョジョが言ったって説得力無えんだよ!あんなことしやがって、このスカタン!」
「シーザーちゃんだってノリノリだったくせにィ!」

「アンタら、人の部屋の前で何やってんスか。」





「はあ!?名前に媚薬飲ませた!?!?」

帰宅してみると俺の部屋の扉をがんがん鳴らしている男2人組、ジョセフとシーザーさん。
なかなかにガタイの良い人達が遠慮容赦無くぶっ叩いて居たので、そのまま部屋のドアが壊れそうだったから慌てて止めた。
なにしてんだと理由を問えば、どうやらうちの馬鹿兄貴が名前にそういうお薬を飲ませたらしい。まさかあの名前が素直にそんなもの飲むわけないだろと思ったら、珍しいお菓子だよとかなんとか言ったんだと。兄貴達2人がふらふらっとどこかに旅行に行くのはよくあることで、お土産と称して名前に渡したそうだ。そしたらうっかり兄貴が口をすべらせて、名前を案の定激怒させたのが現状。

「それで名前に閉め出し喰らってんスかァ?」
「そーだよ、もう絶ッ対苦しんでるはずなんだってば!だから名前、俺が責任取るから、ね、ね!?」
「ジョジョなんかには任せらんねえぜ。ほら名前ちゃん、何にも怖いことは無いよ?俺が一からちゃんと教えてあげる、だからドアを開けてくれ!」


なんてこった、成人してるっていうのに馬鹿すぎて救いようの無い兄貴に溜め息が出る。

しかしその、つまり俺の部屋にはそういう状態で一人名前が居るってわけか?
俺の部屋で、俺の所持物の散乱してる部屋で、多分俺のベッドの上で、媚薬飲まされた名前が‥‥
『ああっ、駄目なのはわかっているのに止まらないの‥‥体が熱い、助けて仗助‥‥』


最高じゃないっスか。
いや駄目だ駄目だ、それじゃあコイツらと同類になっちまう!そう、苦しむ名前を救うことこそ俺の為すべきこと、俺だって経験が無いわけじゃ無いんだから名前を気持ちよくさせられるはずって違う違う違う!!反応すんな俺の俺!でも俺だって現役男子高校生なんスよチクショー!


「おい仗助君!」
「?!は、はい、なんスか。」
「君の馬鹿兄貴を即刻連れ出してくれ。」
「はあ!?ちょっとどうゆうことよシーザーちゃん!まさか自分だけ名前とお楽しもうなんて考えてるんじゃなかろうな!?」
「まったく下世話な野郎だぜ。名前ちゃんが辛いのならそれから解放してやるべきだろう?それが男としてすることだ。」
「オイオイオイ、それシーザーちゃんじゃなくたって良いじゃないのさ!俺だって名前とシたい!」
「本性出したなジョジョ!つまりお前は己の欲望のためとしか考えて無いってことだろ!そんなんじゃ名前ちゃんの相手はつとまらねえ。そもそもお前、近親相姦って言葉知ってるか?」
「血は繋がってないからいいんですゥー!ほら、名前遠慮すんなって!兄ちゃんはお前のことなーんでも知ってるから、お前を天国へ導いてやるぜ!」
「アンタらな!」


そろそろ俺もキレそうになって居たとき、不意にドアが開いた。そして不機嫌そうな名前の顔。

「!名前、やっぱ我慢できないんだろ!?ああ、気持ちは痛いほどわかるぜ!だって俺も今そうだから!兄ちゃんも爆発しそうだから!」
「どけジョジョ!名前ちゃん、俺が最高に気持ち良くさせてあげる、ね?」


下心全開で名前に迫る2人。しかしどうにも名前の顔はそういうことに飢えてるって顔じゃ無い。寧ろどこかげんなりしてるっていうか、冷めてるっていうか?

「あ、仗助、おかえり。悪いね、部屋借りちゃって。」
「いや、そんなことよりよォ!お前ェ、び、媚薬飲まされたって、大丈夫なんスか?」
「大丈夫なわけ無ェだろ!」
「無理は体に良く無いよ、さあ!」

「いや、仗助の部屋にあった解熱剤飲んだらなおった。」
「は?」

途端静まる空間、目が点になる2人。
きっと俺も同じ顔をしてたと思う。


「なおったって、その、昂りが?」
「全然昂ぶってない。」




「マンマミーア!?!!てンめェジョジョゴラァ!!中途半端なモン飲ませてンじゃ無えぞこのスカタンが!!!」
「シーザーが余計なことしてッから夢主にそんな隙を与えちゃったんでしょ〜ッ!ああもう俺のこの最高潮の期待どうすんのさ?!」

「そうだ、ついでに」

いがみあう2人を真ん中から見据えて名前はにこり。

「事の顛末は全部ジョナサンと承太郎にメールしといたから、今のうちに逃げといたほうがいーんじゃないの?」


見る間にさーっと青くなった2人は顔を見合わせ、どちらからともなく全速力で駆け出した。流石兄貴、逃げ足だけは速い。

2人が逃亡する音を聞いて、名前は溜め息をひとつ。次の瞬間、俺の顔数センチ前でドアを閉めた。ガチャリという、鍵の音。

「?名前、俺も部屋入れて欲しいんスけど!」

つーか俺の部屋だし!名前が部屋に居てくれるのは嬉しいけど、その、隠したいものとか色々あるし!やべえ、それ一番に気づくべきだった!こんなことでゲンメツされんのは勘弁っスよ!!

気づけばさっきの兄貴達よろしくドアを叩いていた俺に、小さくぼそりと声がかかる。

「‥‥ごめん仗助、あとどんぐらいかわかんないけど借しといて欲しい。」
「え、それって、‥‥まさかさっきの、演技っスか?」
しばしの静寂。
つまりそれは図星ってことで。


「ッあ〜クソ!クソ兄貴!!やっぱ疑うべきだった!」

たったドア一枚隔てたむこうから、部屋をごろごろ転がっている音がする。
そうでもしないと堪えきれないのかな、なんて、

「あの、名前、‥‥俺じゃ駄目っスか?」




2015/3/19
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