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※高校生設定
(コナツとハルセのみ2年生、他3年生)
「ねえねえ今日何の日か知ってる?」
にこにこと満面の笑みで聞いてきたヒュウガにイラっとして、わざと知らないふりをする。
「・・・ヒュウガの誕生日?」
「もう南子ったらごまかしちゃって、本当はわかってるんだよね!」
「あんたにはないけどなにか」
「えー義理でもちょっとは期待してたんだけど」
ふくれっつらで項垂れる彼だが、実はもうやまほどのチョコをもらっていたりする。ヒュウガの席の脇にかけられた紙袋から隠しきれないチョコがはみ出てしまっている。
「あ、昨日クロユリくんからもらったチーロルチョコあげるよ」
「・・・本命はちゃんと用意できてんの?」
びっくりして思わず声が裏返ってしまった。
「あ、当たり前でしょなにいってんの本命はそりゃもうばっちりよ」
「南子ってお菓子作りとか料理苦手じゃなかった?」
「か、簡単だったもの!一応試食してみたけど食べれたもん!」
「基準は食べれるかどうかなの?」
「うるさいなーというかわたしはアヤナミに会いに来たんだけどなんでヒュウガしかいないのさ」
「俺がアヤたんの付属品みたいに言うのはやめてよ!」
「えっ」
「うん、まさかそこに本気で驚くとは思わなかった」
ガラッと教室の扉が開く。
「あれ、南子なんでいんの?」
「クロユリくん!アヤナミ見てない?」
「クロユリ先輩と一緒に2年教室から3年教室まで来ましたけど、アヤナミ先輩は見ていませんね」
「ハルセくんもクロユリくんも見ていないかー」
ガラリとまた扉が開き、今度はカツラギさんと、その後ろにコナツくんが入ってきた。
「おや、皆さんお集まりでどうしたんですか?」
「あ、カツラギさんにコナツくん!アヤナミ見なかった?」
「あ、僕アヤナミ先輩が先生に呼ばれて職員室に入っていくの見かけました」
「さっすがコナツくん!ヒュウガとは大違いで超役に立ついい子!!」
「さっきから南子俺の扱いいつにも増して酷くない?」
スルーするとしくしくというすすり声が聞こえてきた。しかしそれもあえてスルーする。
「あの、皆さんと一緒に食べようと思ってこれ作ってきたんです。よろしかったら・・・」
ハルセくんがすっとかばんから白い箱を出す。
「そうそう!ハルセの作ったチョコケーキ食べようと思ってみんなを探してたんだった。屋上行って食べようよ!」
クロユリくんがいいでしょいいでしょと私の腕を引く。
「それはちょうどよかった。私は美味しい紅茶を手に入れたので皆さんにぜひと思って今日持ってきたんです。合わせる茶菓子がなかったので助かりました」
カツラギさんもかばんから高級そうな紅茶の箱を出した。
「じゃあみんなで屋上に行こー!!」
おー!とヒュウガが言ったあとにみんなも続ける。
「アヤナミ先輩はどうするんですか?」
「それは南子に任せれば大丈夫。さ、コナツ、行こ行こ」
「は!?ヒュウガなに勝手に決めてっ」
「ついでに渡しちゃえばいいんじゃないー?」
ぞろぞろとみんな私を置いて行ってしまった。
「・・・あとで覚えてろよ・・・」
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