アヤナミ様にはペットがいる。二匹の大きな猫ちゃん達。それはとってもとっても可愛くて、綺麗で、賢いペットなのだ。(飼い主にペットは似るとよく言うけどもっともだ)
私は最初は興味半分、怖さ半分で、恐る恐る近づいたのだけど、意外と懐かれて、今ではすっかり仲良しだ。
「すりすりしたい!癒しが足りない!猫さん達に会ってくる!!」
「じゃあこれ着けて行きなよ」
と5分前に、ヒュウガと話して、
「またここに来ていたのか、」
と呆れたように溜め息を吐きながらアヤナミさんが入ってくるまであと39秒。
私はヒュウガに貰った猫さん達とお揃いの猫耳(黒豹バージョン)を着けて、じゃれていた。
「可愛いなあ、可愛いなあ!仕事の疲れを取るなら断然これに限る!」
「貴様は仕事もろくにせずに何を言う」
ごろごろと猫さん達が擦り寄ってくる。私もすりすりと猫さん達に頬ずりする。これがまた気持ちいい!
「まるで貴様も動物だな」
「ほんとですか!?私猫さん達の仲間入り!?」
「豹だがな」
アヤナミさんがこの部屋に唯一ある豪華な椅子に座る。その近くに私と猫さん達も行く。
するとアヤナミさんが私の頭を撫でた。
「どちらがペットかわからぬな」
「アヤナミさんのペットかー・・・悪くはないですよね。食事は美味しいもの食べさせてくれそうだし、ふかのふかのベッドに寝かせてくれそうだし」
「それを用意すれば貴様は私のペットになるのか?」
「善処します」
「善処する前に一度病院に行け」
ひどいねー、なんて黒猫さん達に話しかければ、なう?なんて返事が帰ってきた。
「・・・先程から言うか迷っていたが、その頭のものは何だ?」
「あ、これですか?よくぞ聞いてくれました!」
「やはり聞かなければよかったか・・・」
「えっへん!猫さん達になりきって気持ちを理解できる、あの有名な猫型ロボットが出す道具よりも便利な道具なんです!」
「ヒュウガが言ったのか?」
「あれ、なんでわかったんですか?」
「全て理解した」
「なんで道具をつけてないアヤナミさんが理解してるんですか!?」
猫耳を手にとってじーと見るが、ただの猫耳なだけで何も変わらなかった。
いつの間にかアヤナミさんの膝元に近寄って、甘えている猫さん達が見えた。アヤナミさんにあごのあたりを優しく撫でられて気持ちよさそうにしている。
「お前もして欲しいのか?」
「なっ、」
アヤナミさんが椅子に肘をつき頬杖したまま、妖艶に微笑む。
実はして欲しいとか思ってしまっていた私は下を向きながらとぼとぼとアヤナミさんに近づく。
「もうそれは着けないのか?」
アヤナミさんの目線にはさっきまで着けていた猫耳。
「着けて欲しいんですか?」
「撫でて欲しいのなら、着けるのは当然だろう?」
「はあ」
アヤナミさんの言ってることが理解しきれず、とにもかくにも猫耳を頭に着ける。
ぐいっと腕が引っ張られて、身体が前に倒れ、アヤナミさんに乗るような形になってしまった。私が見下ろして、アヤナミさんに見上げられるのは、すごく新鮮だった。
顎を撫でる長くて細い指先がくすぐったい。
「アヤナミさん?」
ふと手が止まった。不思議に思って名前を呼ぶ。
「お前のためなら美味な食事も、快適な寝床も、何でも揃えてみせよう。さすればお前は・・・私のペットにでもなるのか?」
「・・・ペットでもいいですけど、やっぱり対等な立場でいたいですかねえ」
後頭部に回されたアヤナミさんの手が私とアヤナミさんを近づける。満足げに口角を上げたアヤナミさんを最後に、目を閉じた。
唇が触れるまであと、
じゃれあう の日々
愛-----キリトリ-----
夜漆さまからのネタ提供使わせていただきました!
これ・・・アヤナミ様じゃなくてヒロインばっか絡んでる!と途中で気付きましたが楽しかったので開き直りました。
ギャグとちょっぴり甘いのは書きやすいなあ(:3 っ)っ
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