執務室。いつもと変わらないメンバーが、今日も日常を過ごしていた。
「アヤナミ様、こちらにサインをお願いします」
「ああ、そこに置いておけ」
カリカリカリカリカリ、
静かにしかし煩く響く、ペンを滑らせる音に、限界を迎えたヒュウガが叫んだ。
「もうやだよ俺!あと一回ペン握ったら禁断症状が出ちゃうからちょっと休憩に出歩いてくるね、」
「行かせませんよヒュウガ少佐ああ!!何自然な感じに休憩しようとしているんですか!さっき休憩したばかりでしょう!?」
「コナツぅぅぅ〜お願い今日だけは見逃して!」
「今日だけと言いながら何日その言葉を使ってると思ってるんですか!」
「うーん・・・3日くらい?」
「毎日です!」
終わることの無いヒュウガとコナツの葛藤。だがしかし煩く喧騒して騒いでいるというのに、誰一人も触れることは無い。これもブラックホークの日常であるからだ。
「まったく、ヒュウガ少佐はナコさんを見習うべきです」
「それは無理な話だよ、コナツ」
「アヤナミ様、書類を届けに行ってきます」
「ああ。・・・悪いがこれも頼めるか?」
「はい、問題ありません」
つかつかとたくさんの書類を抱え、ナコは出て行った。
「アヤたん、ちょっとナコたんを働かせすぎじゃない?」
「・・・ならばお前がやるか?」
「いや、それは遠慮しておくよ・・・って、そうじゃなくて!」
「なんだ、」
机をばんっ、と叩いて、ヒュウガはアヤナミに近づく。
アヤナミは書類に向けていた視線を上げた。
「ここ最近、ナコたん寝てないの知ってる?」
「・・・何?」
「もー・・・ちゃんとナコたんのこと見てる?あんな隈、俺今までで初めて見たよ!アヤたんのベグライターなんだから、もっと気にかけてあげなきゃだめだよ」
「・・・そう、だな」
「ナコたんが寝てくれないと俺いつになっても夜這い出来なうぐっ!」
コナツは鞭で打ちのめされた上司を呆れた目で見ながら、諦めて仕事に戻った。
「今度私のベグライターに淫らな行為をしようものなら・・・わかっているな?」
「わかった!わかったよアヤたん!!ちょっとまた鞭振るおうとしないでっ、あぎゃ」
「わかったならさっさと仕事を済ませてお前のベグライターを休ませてやれ」
「はいはい、っと。・・・でも、ナコたんを心配してるのは本当だよ。アヤたんが動かないなら、俺が動くよ」
最後に意味深な言葉を吐くと、そのままヒュウガは自分の机に戻った。
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