疲れた疲れた疲れた・・・!! ここ最近、ずっと忙しくて、私の彼氏であるアヤナミと全然イチャイチャできていない(もともとイチャイチャするような人じゃないけれど)。 なんとか眠る事が精一杯で、言葉さえもあまり交わしていないような気がする・・・。 本当はたくさん話したい事があるし(仕事以外で)、たくさん触れたい。でもそんな余裕が無い。アヤナミは別にどうってことないのかな・・・。 そんなことを悶々と考えていると、のぼせそうになったのでお風呂を出た。 明日も仕事が山ほどあるから早めに寝よう。 そんなこんなでやっぱりいつもと同じスケジュールを過ごしてしまうのだった。 でも、今日は違った。 「・・・え」 「やっと終わったか」 お風呂場から部屋に戻ると、私のベッドに腰掛けているアヤナミがいた。噂をすれば何とやらである。 アヤナミもお風呂に入ってきたらしく、バスローブを着ていて、髪が少し濡れていた。 (ちゃんと髪乾かさないと風邪引くのに・・・でもアヤナミってあんま風邪引かないよなあ) 「貸せ」 「え」 私の持っていたドライヤーを奪うと、アヤナミの膝の上に強制的に座らされた。 ぶおおおとドライヤー特有の音が耳元で聞こえる。アヤナミの細くて長い指が髪を撫でてきた。 どうすればいいかわからなくなって、挙動不審になりながら身を強がらせた。顔はもちろん真っ赤である。乾かしやすいように顔を下にしていることがまだ救いだった。早く終わって欲しいけど終わって欲しくないな。 「ナコ」 「なにー?」 「頼みがある」 アヤナミが言葉を発したと同時にドライヤーの音が消えた。 振り返ってアヤナミの方を向けば、目が合った。 「・・・膝枕をして欲しいのだが、」 「・・・・・・」 今どこから聞こえたんだろう?え?目の前のアヤナミから? ・・・ないない。ありえない。 だって膝枕って。膝枕なんて言葉をアヤナミが言う?あの鬼畜で有名な参謀が。サディスティックで誰からも畏れられてる参謀長か「そんなに虐めて欲しいのか?」こういうときに読心術を使わないでほしい。 「・・・だって、そんなキャラだっけ?」 「・・・いいのかだめなのか答えろ」 「命令形って・・・。別にいいけど」 そっぽ向いて小声で言えば、シーツの擦れる音が聞こえてくる。 今するの!?とアヤナミに振り返れば、先程までいた位置にアヤナミは居なく、しっかりと私の膝の上に頭を乗せて横になっているアヤナミが居た。 「少しだけだ」 そう言うと、目を瞑ってしまった。 私は仕方なくそのまま受け入れることにした。大好きな綺麗な銀髪を梳くと全部どうでもよくなってしまった。 「でもどうして膝枕なんて?あんまり甘えてこないのに、いきなり段階飛ばしてきたというか、」 「・・・たまにはいいだろう?」 「・・・んー、まあ」 確かにさっきまで甘えてきて欲しいと思っていたところなんだけども。でもいざとなると恥ずかしかったりするわけで。公衆の面前でイチャイチャ出来るカップルの気持ちがわからない。 アヤナミの美しい寝顔(なんか悔しい)を見ていると、こっちまで眠くなってきた。 うとうとしていると、もう寝るか?とアヤナミの声が聞こえた。 寝ていたはずのアヤナミがアメジストの瞳を私に向けていた。 「寝てたんじゃないの?」 「ああ。だがナコも眠いのだろう?」 「・・・うん」 正直に言えば、アヤナミは起き上がってベッドの中に入った。 ・・・って、は? 「ちょっと、何でアヤナミが私のベッドに入ってるのよ」 「?一緒に寝るからに決まっているだろう?」 「ええ!?一緒に寝るの!?」 いやいやいくらなんでも恋人だけどでも今まで甘えてこなかったくせにいきなり今日はどうしちゃったの!? むりむりと首を横に振っていたが、アヤナミに腕を引っ張られると、簡単にベッドの中に引きずり込まれてしまった。 「・・・この腕枕はさっきのお返しのつもり?」 「ああ。嫌だったか?」 「嫌ではないけど・・・」 「けど?」 アヤナミの腕枕を心地好く思いながら、頭を捻る。 「今日はなにかあったの?」 「別に何もないが・・・」 「だったらどうしてこんなに甘えてくるの?」 「・・・駄目、か?」 今初めてアヤナミが可愛いと思ってしまった。あの鬼畜で有名な参謀が。サディスティックで誰からも畏れられてる参謀長か「そんなに虐めて欲しいのか?」だからこういうときに読心術を使わないでほしい。 「・・・今日だけじゃなくて、いつも甘えてくれたら私は嬉しいんだけど・・・」 「・・・善処しよう」 やっぱりいつもは駄目らしい。それに甘えてばかりのアヤナミも気持ち悪いな。 今日はぐっすり眠れるに違いないと思いながら、アヤナミの腕の温かさを感じながら目を閉じた。 ピロートーク (たまにはこんな夜だって) ![]() ぐだぐだ(:3っ)っ >>11.05.13 |