短編 | ナノ
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コンコン、

リズムよく部屋にノック音が響く。


「入れ」


ガチャリと開けて入ってきたのは、パジャマ姿で枕を抱いているナコだった。
ナコはブラックホークの紅一点で、若い見た目とは裏腹に大尉である。
そして、自分の恋人でもある。


「どうした、こんな夜中に?」

「あ、えーと、ですねえ・・・」


言いづらそうに言葉を濁して視線を泳がせているナコを手で招いてベッドまで呼び寄せ、私の隣に座らせる。


「それで?」

「あー・・・眠れ、ない、ん、です」

「・・・私にお前を眠らせろと?」

「と、とんでもありません!!あ、いや、あながち間違っては、いないんです、が」

「と言うと?」

「〜〜〜っ、一緒に寝て下さい!」


がばっ、とベッドの上で土下座するナコ。顔を伏せている為表情を伺うことは出来ないが、耳が真っ赤に染まっていた。
きっとプライドの高いナコのことだ、勇気のある行動だったのだろう。私としてはそのような事は全く気にしていないどころが、むしろもっと甘えてきて欲しいところなのだが。


「ああ。構わぬ」

「!あ、ありがとうございます・・・」


消え入りそうな声で恥ずかしそうに言うナコの手を取り、ベッドの中に二人で入った。








「ナコ、何故そちらを向いている」

「ななな何の事でしょう?」


ベッドに入ってから、私は横になってナコの方を向いているのだが、ナコは私に背を向けて寝ていた。
手を腰に当てれば、ビクッとして背筋をピンとさせる。今は何もする気はないのだが、そういう反応をされると虐めたくなる。
否が応でもこちらを向かせてやるか。
スッとナコのお腹辺りを擦る。だんだん上に滑らせていき、


「あ、アヤナミ様!」

「捕まえた」


痺れを切らせてこちらを振り返ったナコを抱きしめ、無理矢理向かい合わせになった。しっかりと腰と後頭部に手を回して、ナコの目を見つめる。ナコは困惑の目をしていた。


「あのー・・・アヤナミ様?」

「案ずるな。今日は何もしない」


安心したのか、少しだけ力を抜いて身体を預けてきたナコを少し強めに抱きしめなおす。それに異変を感じたのか、上目遣いで私の顔を覗いてきたナコの目蓋にキスを落とした。


「おやすみ」






  (静けさを保って)       (融けていく)

-----キリトリ-----
おやすみって囁かれたい。昇天フラグ⊂二(^ω^)⊃


 

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