「さて、問題です!今日は何の日でしょう?」 「……何それ、わざわざ言わなきゃなんねえの「ブッブー!時間切れ!残念でしたー。不正解だった坂田さんには罰ゲームとして一ヶ月間彼女とチュー禁止です」……は!?」 「あ、でも貰うもんはきっちり貰っておくんで、はい」 と、ニコニコした顔で掌を俺の前に差し出した南子、俺の彼女。 「ちょっと待てって!んなの聞いてねえし、ゲームでもねえし、時間制限とかあったのかっつーか、いやいや嘘だよね!?」 「私が嘘をついたことは一度もないよ?」 「いやそれこそう、ぐふっ」 腹に一発喰らい、ゲホゲホと咳込む俺を他所に、南子は平然としている。 「はあー……、ホワイトデーっても、俺今月金入んなかったから、今ポッキーくらいしか持ってねえんだけど」 「ポッキー!?全然好物!今年は気分いいからそれだけで許してあげる」 早く早くと急かしてくる彼女に溜め息をつきながらも、ソファを離れて菓子がしまってある棚の中を探る(もちろん神楽には秘密だ)。手にしたポッキーをソファで楽しみに待つ南子に手渡そうとしたが、あることを思いついて止めた。 「……あれ?くれないの??」 「いや、やるさ。けど」 「けど?」 その先を聞いてくる南子を無視してポッキーを袋から取り出し一本だけ食べさせた。 「美味いか?」 「うん!」 「そうか。じゃ、」 「ん?んん!?」 「・・・なんで離れるんだよ。ポッキー食いたくねえの?」 「だ、だだだだって!!銀時が、もう片方から食べてきたから、」 そう、思いついたあることとは、世間で言う、ポッキーゲームだ。 「ゲームなんだろ?」 「いや、でも罰ゲーム・・・」 「ポッキーゲームって、たいていは罰ゲームにやるやつだった気がするけど」 「・・・っ!!」 歯向かえないのか、悔しそうに唇を噛む南子。形成逆転だな。 「ほら、食えよ」 「・・・」 「よし、いい子だなー。絶対ェ離すなよ」 「・・・・・・っ、」 南子からは食べてこないから、自然と俺が食べて近づく形になる。だんだん近づいてくると顔を赤くして恥ずかしそうにするから可愛くて仕方ねえ。さっきの威勢はどこに行ったのやら。 キスまで5cm、3cm、1cm、 「っ!」 ゆっくり口づけ、見つめ合っていた目はお互いに自然とゆっくり閉じられ、永く甘い、触れるだけのキスをした。 「・・・やべえ、俺我慢出来ねえんだけど」 「今さっきチュー禁止令出したばっかりなんだけど」 「無理」 甘い甘い罰ゲーム ...................................................................................................... 触れるだけってフレンチって言うんだっけ?変態になってきたこの頃。あ、この頃じゃなかった。 [しおりを挟む] | |