「銀時、子供欲しい?」 「ブッ!!」 「うわ、汚ッ」 「お前が変な事言うからだろうが!」
俺は妻である南子に吹き出したイチゴ牛乳を口につけながら叫んだ。 本当に突然。何があったのか、誰かに言われたのか、テレビで何かを見たのか。 子供が欲しくないわけではない。ただ、俺と南子が結婚してからそんなに経ってないんだけど。もう少し子供が居ない自由な時間を過ごしたいし、子供がいれば南子とも色々出来なくなるし、南子も俺に構ってくれなくなる。そんなのはごめんだ。まだこの幸せな時間を過ごしたい。
「子供なら神楽とか新八とかいるだろ」 「そーじゃなくてー」 「なんだよ、今のままじゃ不満か?」 「全然満足です」
ならいいじゃねえか、なのに、なんでそんなにいじけた顔をして、不貞腐れてんだ。
「この話はこれで終い」 「明日はさ、バレンタインだよね」 「そうだな。……結婚してもチョコ菓子作ってくれるよな?」 「もちろんだよ。どこで心配してんの」 「いや…結婚したら成就してんだし、必要なくなるんじゃねえかなって、思って」
バレンタインにチョコをあげるのは好きな男にチョコをあげるイベントだ。ん?好きな男にチョコをあげる?なら結婚しててもいいのか。
「バレンタインは、好きである気持ちを形にして、チョコをあげる。結婚してもそれは変わらないけど、でも、」 「……でも?」 「結婚したら、お互いが好きって事の証明だけど、形があるけど、なんだか不安というか、言葉で上手く言えないけど…」
だから子供が欲しいなんて言ったのか。ただなんの考えもなしに、憧れで言ったのかと思っていたが、さすがは俺の奥さん。そこまで軽い女じゃねえ。
「別に、バレンタインみたいに形とか、ものにしてみなくてもいいんじゃねえの?」 「そうかもね…でも、結婚したら、恋ではなくなっちゃうじゃない。恋じゃなくて、別の…」 「恋?…俺は今でも恋してるけど?」 「え?」 「結婚しようが、俺は、ずっとお前に恋し続けてる。好きだって伝えたって、どれだけ伝わってんのかもわかんねえ。たまに不安にもなる。他の男に行ったらどうしようとか、愛想つかされたらどうしようとか。俺お前に嫌われたらもう貰い手いないと思うし」 「銀時……」 「とりあえずアレだ、いい夫婦っつーのは、たとえ爺さん婆さんになろうが恋し続けられるっつーことだ。わかったら今から出掛けるぞ」 「出掛けるって…」 「チョコの買出し。作ってくれるんだろ?俺の彼女さんは」 「…今まで食べた中で一番美味しいのを作ってあげるわ!」
恋心 (恋する心は、いつまでも)
--------------- 会話分が多くてすみません。急いで作るものではありませんね。 言ってる事が意味不明になっているのは私が意味不明になっているからです←
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