バレンタインデー企画 | ナノ
「バレン、タイン、デイ、キッス♪」

某有名な曲をさぞ嬉しげに高らかに歌い続ける隣の彼女は、先程から同じところを何回も歌い、仕事もせずにカレンダーというもの全て、日付があるもの全てに、赤ペンで印を付けていた。
そして迷惑なことに、ヒュウガ少佐も彼女に合わせて印を可愛く付け足していた。

「二人とも!いい加減にしてください!!」
「どったのコナツー?」
「ヒュウガ少佐、遊んでないで仕事してください!ナコも、仕事をしなさい!」
「だってアヤナミさま会議でいないもん」
「普通はナコが一緒に付き添うのに、忙しいと言ってカツラギ大佐に行かせたのは何処の誰ですか、」

彼女、ナコは、アヤナミ様のベグライターで、一応私と付き合っている彼氏彼女の彼女、である。彼女だから少し甘く見てしまうこともあるが、アヤナミ様にまで迷惑を掛けていると思うと少し心苦しい。アヤナミ様もアヤナミ様で、ナコの我が侭を聞いてしまうのもどうかとも思うが。

「だって本当に忙しいんだから。はあとマーク付けて、計画を練んなきゃいけないんだよ」
「計画ってなんですか、仕事よりも大切なものなんですか」
「コナツは乙女心をわかってないねえ」

ヒュウガ少佐に言われて、少し腹が立った。
でも少佐から、今まで作業をしていたそれを手渡される。

「あ、ヒュウガ!まだ見せちゃ駄目!!」
「大丈夫だよ、コナツ超がつくほど鈍いから気付かないって」
「うーん、そうかな……それもそうだね」

納得したナコに悲しくもなったが、少佐から渡された卓上カレンダーに付けられたハートマークの印を見て、何も言えなくなってしまった。



 はあと
 (ひっそりと、次の月の同じ数字に印を付けた)

---------------
コナツくん初めてだったりします(笑)
甘くならんなあ、
アヤナミ様を無意識に出してしまった。コナツの存在がなんか小さい……


- 1 -

[*前] | [次#]


「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -