今日も銀さん達は戦に行った。
でももう遠征には行かないらしい。それは私の為。皆に心配させて迷惑までかけていると思うと少し心苦しい。
「シロー、クロー、って寝てるし。でも本当高杉さんに懐いてるよなあ。なんでだろ」
「てめぇこそなんで平然と俺の部屋にいんだ」
そう、ここは高杉さんの部屋。
何か面白いものでもないかと潜入していたのだ。
そこに帰ってきた高杉さんに見つかった。
「早かったですね。お風呂にしますか?ご飯にしますか?それともわた「馬鹿なこと言ってないで早く風呂焚いてこい」・・・全部言わせてくれたっていいじゃないか、」
しょげていると起きたシロとクロが高杉さんに媚びを売っていた。
あ、そうだ、と何かを思い出したように高杉さんはシロとクロに向けていた視線を私に戻した。
「銀時と坂本はまだ帰ってきてねェ」
ということは桂さんは帰ってきたのかな。
そうですか、と短く返事をしてお風呂を焚きに高杉さんの隣を通り過ぎて出ていこうとしたら、急に高杉さんに腕を掴まれた。
え?
な、何だこのシチュエーション!?
少女マンガみたいな乙女ゲームみたいな。女の子が異性にされたいことランキングとかに入ってるよ絶対。
まさかまさかこの展開は・・・
「何も見たり盗ったりしてねェだろうな」
そっちかい。
しかも肯定文っていうね、
「もちろん何もしてないですよー、疑い深いなー。エロ本でも持ってるんですかー?」
少しイラッときたので棒読みで言った。
すると高杉さんは黙り込んでしまった。
「ちょ、黙らないで下さいよ!」
「そんなんじゃねェよ、もっと、大切なもんだ」
「・・・ってことはもっと大切なエロ本を持ってるんですか?」
すると凄く空気読めよお前、って顔をされた。
「はあ、・・・さあな」
「流石エロ杉様。堂々としてるとこなんか見ると格が違うわ」
わざとそう言ってやれば、掴まれていた腕を引っ張られ、吐息がわかるくらい顔が近づき、
「襲ってやってもいいんだぜ?」
「お、お風呂が私を呼んでいる!!」
(大切なものというのは、きっと)
(言ってはいけないことだから、)
(わざと知らないふりをするんだ)
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