ヤバい迷ったああああああああああああ!!
どうするよこれえええええええええ!
「にゃー」
「あ、シロとクロ!あんたら今までどこ行って、」
「にゃふ」
「え、」
また私の前を歩きながらこちらをちらちらと伺ってきた。
「ついて来いってか」
二匹にただただついていくと、あっという間に住家の門まで戻ってこれた。
「良かった。ってもう月が出てるよ。まあ、銀さん達はいないし、他ここにいる人達は怪我とかで動けない人達ばかりだから、きっと私がいなくなったのすら気付いてないだろうなあ」
シロとクロを隣に連れ門へ近づいて行くと、一つの影が見えた。
キョロキョロ、うろうろしていて落ち着きがなく、まるで不審者だ。
すると、その人は私に気付いたのだろうかこっちに向かって走ってきた。
これは逃げた方がいいのか?
「南子!!」
どうして私の名前を知っているんだろう。
怪しみながらも目を凝らしてよおく見てみる。
その人が近くまで来た時、今まで隠れていた月が顔を出し、その人物を 照らした。
「銀、さん?」
途端、視界が真っ白になった。銀さんに抱きしめられている。
「良かった・・・無事で」
「なんで、なんで銀さんがここに?」
銀さんの腕の中で顔を上げ自然に見つめる形になる。
「っ、お、お前がいなくなったって聞いて・・・飛んできた」
照れ臭そうにそっぽを向いた銀さん。そっか、心配かけちゃったんだ。
申し訳ない気持ちと、寂しかった気持ちが入り混じって、涙が零れた。
「ふっ、う・・・」
「え、ちょ、どうした南子!?」
「うわあああああああああ!!!銀さんの馬鹿ああああああ!!」
「ええええ!?」
(抱きしめられた色は、白と)
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