「うわあ・・・凄い」
活気ある下町の景色が目の前に広がった。戦争中など嘘のよう。
実は私の着物とか生活用品は忙しくて町に出られないということで、
高杉さんの着物借りたり他の仲間で女性の知り合いがいたら家から送ってもらっておさがりを借りるなどしていたのだ。
だから今、本当の江戸時代の町並みに驚いてる。
みんな生き生きして元気だなあ。
「もしかして」
ここに連れて来るために二匹は私を?
いや、ないだろ。ありえないだろそれは。
下を見たが二匹はいなかった。周りにもいない。
「どこ行ったんだろ、まあいっか」
こんな広い場所でたった猫二匹見つかるはずかない。
それに街中を見て廻りたくてうずうずもしている。
「せっかくだし、ね!」
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「銀さん達にお土産買っていきたかったな」
そしたらきっとビックリするだろうな。
でも自分にはお金がないのだ。
空が暗くなり始めていた。
夜になれば帰れなくなる!
私は急いで来た道を戻った。
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