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「で、なんですかこの状況」
「先程言ったはずだが」
最後の一口分のデザートをスプーンにのせ、私の目の前に差し出したアヤナミさん。
あなたもあーんに憧れてたんですか、
仕方なくこのままだと恥ずかしいので早く終わらせようとパクリとスプーンを口に入れた。
・・・はずだった。
「・・・何の真似ですか?」
「私がそう簡単に食べさせると思ったか?」
ドSうううううううううううう!!!
何この人今までの誰よりも質悪っ!!
頬杖をつき、唇に冷笑を浮かべ、こちらを見つめるアヤナミさん。
鬼畜だ。どこまで私の愛しの坂田と似てるんだ。この前まで別人なんだとか言ってたけどまんまだよ!更に酷いかもしれないよ!でもそういう人が好きだからって別にドMじゃないが。完全に私の急所狙ってるよ。別にドMじゃないが。
「それなら、」
パクリとまた魚のように食いつくがまたかわされ、アヤナミさんはニヤりと笑って完璧楽しんでいた。
ついにイラッときて、がしっとアヤナミさんの手首を掴みスプーンを口に含んだ。
初めからこうすりゃ良かったんだと後悔した。
「おいしかった。・・・どうかしました?」
ナプキンで口を拭って、じっとこちらを凝視していたアヤナミさんに気付いた。
少し驚いているようにも見えたけど・・・あれはガッカリしてるんだろうか?
「楽しみを早く終わらせてしまってすみません。ちなみに私は二度とごめんです」
「・・・・・・」
黙り込んでしまったアヤナミさん。
そんなにショックだったのかな?
それとも、違う意味だったのかな?
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