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「なんだね、この者は・・・」
上層部は驚いて数歩下がった。アヤナミまでもがいつもと比べて少し目を見開いている。
「これ・・・携帯の電源、つかな・・い」
手に携帯を持ちわなわなと震わせる。
携帯が壊れた。こいつらのせいで。電話やメールとかは使えない。でも私には大切な大切なデータフォルダがあるんだ。
そこには大好きな坂田の画像や、最近撮ったヒュウガ少佐のどや顔とか、コナツさんの寝顔とか、クロユリ中佐の食事中のとか、ハルセさんが髪をかき上げてるのとか、カツラギ大佐の料理中の微笑みのとか、アヤナミさんの書類をしてる時の色んなアングルのとか、たくさんたくさん入ってたんだ。なのに、もう見れない・・・だと?
途端、窓ガラスが全て割れ弾き飛んだ。
「な、なんだこれは!」
「俺のコレクションがあああああああああああああああ!!!!」
「く、今日はこのくらいにしてやる。だが必ず突き止めてやる!」
「貴様等はウ゛ァルスファイルだということを忘れるな!」
最後にそう言い残して走り去って行った。
風が止み、静かになりガラスが辺りに散らばった部屋。
私はくるっと一回転し、アヤナミさんの顔を見て、抱き着いた。
「うわあああああ!壊れたあああああ!」
てっきり避けられるかと思っていたのだが、アヤナミさんは避けもせず頭を撫でてくれた。
「汚したら弁償してもらおう」
「・・・・・・」
仕方なく泣き止むことにした。
「それにしても派手にやりましたね」
「え、」
「ナコたんやれば出来るじゃん☆」
「ナコ凄い!」
クロユリ中佐が私に抱き着く。
そうか、これ私がやったのか。
私のザイフォン・・・が?
「嘘おおおおおお!!有り得なくね!」
でもこの光景が事実だ。
「でもザイフォンより携帯が・・・、!」
癒し系を使えば直せるんじゃないのか!?
手を携帯にかざす。
お願い直って。まだまだみんなの写メ撮りまくる予定なんだから。アヤナミさんの寝顔撮るまでは携帯には生きててもらわなきゃなんだから!
ふわっ、とザイフォンが浮かび、携帯の傷が消えていく。
「で、出来た!」
「!、ナコたん癒し系も使えるんだ☆」
だがまだ携帯の電源がつかない。
まさか、電池切れ?
「コンセントはどこですか?」
「え?あ、あそこにあります」
コナツさんが指差した所に行き、ただコードどうしようと考えていると糸状のものが出てきてコンセントと携帯のコードを差し込む所を繋いだ。そのまま電源をつけてみる。
「つ、ついたあああああ!!」
坂田がちゃんと待受になってる、また見れる、皆の写真集作れる、アヤナミさんの寝顔撮る夢が叶えられる!とはしゃぐ中、ブラックホーク皆が私に驚いていたことなど知らなかった。
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お偉いさんの登場が無理やり感バレバレ(^ω^)
バルスブルグ帝国には電気はあるのだろうか?(´・ω・`)
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