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ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ
鳴り響く目覚まし時計。
ガシャーン
いつも通りぶっ壊す勢いで目覚まし時計の上に付いているボタンを押す。というか叩く。
「う〜ん・・・」
重たい瞼を半分持ち上げ時間を見る。
ん?なんか時計の時間が幻覚に見え・・・
「ってちょ、ええ!?ややや、ヤバいヤバいヤバい!!!!」
学校に遅刻する!!
急いで制服に着替え鞄を持って階段を下りて玄関へ直行した。
「朝ご飯はー?」
母が何か言ったようだが無視することにした。今は緊急事態だ。というか聞こえなかった。
「遅刻するうううあああああああ!!えええええええ!?」
呻きながら角を曲がると、壁があった。
壁?
いや、曲がったら学校が見えるはずなんだけどな……
後ろを振り返ってみた。そこも壁。
壁?
どうして壁に囲まれているんだああああ!!
怪奇現象!?錯覚?狐か狸か!?
落ち着いて冷静に考えてみる。が、壁が近づいてきているような気がするのは気のせいだろうか、気のせいだと思いたい。
しかし壁は止まる気配はなく、壁に集中していると、底が崩れて、落ちた。
落ちてる落ちてるどこまでも落ちてる。何この浮遊感。まるで遊園地にある上に上がって真っ逆さまに落ちる乗り物のようだ。さて、私は生きてまた土を踏めるかな。
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